鯉のぼりの飾り方は多様化している?
子どもの日には鯉のぼりを飾る、ということはどこの地域に住んでいても知っている人がほとんどです。
遠くからでもよく分かるほど大きな鯉のぼり飾りを飾っている家庭は少ないですが、小さい物でも鯉のぼりがあると端午の節句をよりいっそう楽しむことができます。
小さい子供がいない家庭や、すでに子どもたちは独立してしまって、大きな鯉のぼりは必要なくなったという家庭であっても、置物などでさり気なく鯉のぼりを楽しむ家庭というのは多いものです。
特に鯉は縁起のいい生き物として知られていますから、子どもがいなくても縁起かつぎで鯉の置物を置くということはあるでしょう。
昔から鯉は生命力が強く縁起のいい生き物として扱われてきましたし、他の魚と比べると鯉は汚れた沼や池などでもしっかりと生きていける力を持っていますから、たくましく生きていけるように、という願いも込められていることがあるでしょう。
日本のみならず中国では鯉の滝登りという言い伝えがあり、立見出世の象徴とされています。親の思いや愛情がしっかりと表現され今でも受け継がれているので、自分の部屋に合う鯉のぼりを見つけて飾りましょう。
小さな子供と一緒に鯉のぼりを飾る時や鯉のぼりを飾る意味を聞かれた際には、親から我が子への愛情の象徴とイメージできるように話してあげるといいかもしれません。
ちなみに、鯉のぼりは最初から鯉の形のしたのぼりをあげていたわけではなく、もともとはのぼりに鯉の絵を描いて飾っていたようです。
のぼり自体に縁起がいいとされる鯉の絵を描くことが広がり、現在の鯉のぼりの風習が定着したようです。
今では1番大きい鯉はお父さん、小さな鯉は子どもたちを表していることは、子どもの目にもわかりやすくまた楽しい気持ちにもなれるので良いでしょう。のぼりに鯉の絵が描かれている状態よりもより親しみを感じやすくもなっているといえます。
そして一般的な鯉のぼりは黒色、赤色、青色の3色で構成されていますが、黒色は一家の大黒柱としてどっしりとえる父親像をイメージさせます。
そのイメージから真鯉を黒色で表す風習が根付いたと思われます。赤色の鯉は、緋鯉と呼ばれるお母さんを表現していますが、赤は明るく温かい太陽をイメージさせます。
緋鯉には、日本の温かな母親像と重なる部分があります。
そして子どもを表すのが青い鯉ですが、青色は清々しく、子どものすこやかな成長を表すにはぴったりな色ともいえます。
江戸時代の頃はまだ黒色の鯉のみを飾っていたようですが、明治時代になると赤色が加わり、昭和に入ると青色を加えるようになり、現代では色とりどりの鯉のぼりが見られるようにもなりました。
色とりどりの鯉のぼりを楽しめるようになった現代ですが、そんな自由な中にも鯉のぼりを飾る順番は決まっていて、順番にも意味があるものですから、順番は守って飾りたいものです。
基本の鯉のぼりの飾り順は、1番上に一家の大黒柱である黒色の真鯉で、その下に母親である赤色の緋鯉がきて、真鯉と緋鯉の下に、青色の子鯉の順で飾るのが一般的です。
新たに男の子の赤ちゃんが誕生した場合などは、更に下の鯉を付け足す場合もあるようです。
付け足す際には、緑や紫の鯉を選ばれることが多いようなので、よりカラフルで楽しめる鯉のぼりになるでしょう。
置き物などはそのまま鯉の数は変えられないことがほとんどなので、子どもが誕生することによって鯉の数を追加できるポリエステルなどの鯉のぼりは都合がよく楽しめる要素も多いでしょう。
鯉のぼりは幸せな家族そのものを表しているようにも見えます。
また、鯉のぼりの吹き流しですが、吹き流しも大事な意味があります。
鯉のぼりを華やかに見せるための単なる飾りの1つと思われがちな吹き流しですが、古くから多くの人の願いや気持ちを表し、飾られていたものです。見る機会があれば感慨深く眺めてみましょう。
こうして鯉のぼりの歴史から鯉のぼりを見てみると、飾り方はそれぞれで、置き物などでも手軽に鯉のぼりは楽しめるものですが、本来の意味や伝統などを考えると、やはり風になびく鯉のぼりが一番わかりやすいものです。
それぞれの意味も教えやすいですし、どうしてそのような形、順番になっているのかも意味が理解しやすいでしょう。自宅で飾れない時は鯉のぼりのイベントなどに出かけて、風に優雅になびく鯉のぼりを眺めてみても良いです。
子どもの日が近くなると様々な場所で鯉のぼりのイベントがおこなわれていますから、そうした機会を利用してダイナミックな鯉のぼりを子ども達に体感させてあげましょう。
また、手軽に飾れる置き物の鯉のぼりや陶器の鯉のぼりはキャラクターとコラボしているかわいらしいものもたくさん販売されています。
ちょっとしたスペースに飾るにはそうした小さく簡単に飾れるものが都合が良いので、場所に合わせてお気に入りの鯉のぼりを楽しんでみましょう。
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