雛人形を飾る場所について
雛人形を飾る場所についてですが、昔ながらの雛人形を飾るという行為を神聖なものであるとしたうえで飾るのであれば、人の目線よりも上位の場所、例えば箪笥の上などが望ましいです。
何故神聖なものは上位に飾るのか?については、神聖な物は日本では上位に飾り、人が簡単に手を触れることができない環境下で飾るというのが風習としてあったため、雛人形は上位に飾るのが良いとされていました。
注意点としては、お手入れや飾り終えた際の収納の大変さから見ると、だんだんと飾ること自体が難しくなるということ、高所にあるということから地震などで落下した場合危険になることから現在ではあまり雛人形を飾る場所として高所の箪笥の上に飾ることはなくなりつつあります。
その為現在では、人の手が届き、見えやすい場所に飾る場所を設ける方がお手入れの他、飾り終えた際の後片付けも楽であるということから増えています。
雛人形は、実は設置するに際して適している場所とそうではない場所があります。
設置してはいけない場所については雛人形を購入した際に説明書に記載があったり、雛人形の販売専門店においては口頭で説明をされるお店も存在するほど、人形の劣化につながるため、設置指定はいけない場所が存在します。
まず直射日光が当たる場所は雛人形を設置する場所としてはふさわしくないです。直射日光は、雛人形が身に纏う衣服が紫外線によって劣化する原因になるためです。雛人形が身につけている衣服の材質が熱に弱いポリエステルの他様々な合成繊維からなる場合、急速に劣化を早めてしまうためこちらについてはおおよそ、雛人形を購入した際、説明書に記載があるはずです。
ケース入りの雛人形においては、飾る場所を太陽が当たる場所にした場合、ケース内で温度が急激に上昇し、こちらも同様に人形の劣化を早める原因になり、雛人形が身に纏う衣服だけではなく人形本体が熱で劣化するため直射日光に当てることはタブーとしています。
他にも雛人形を飾る場所には注意があります。高温で湿度が高い場所もタブーの場所です。高温で多湿にある場所は、カビの原因や害虫がわきやすい特性があり、人形が身に纏う衣服が虫にかじられる可能性が高まるため、高温多湿にある場所は飾る場所としては不適切です。付け加えれば、雛祭り後に人形を保管する場所としても不適切です。
雛人形は、構造としては人が手作業で編んだ衣服を合成繊維などで構成された人形が身に纏う形であるため、人形が身に纏う衣服については、害虫がかじり、卵を産み付ける寝床にもなるため高温多湿になる場所には設置せず、かつ保存することも昔の人は行わず、保存に適した布団などを収納する収納部屋に雛人形を保管しました。
布団を収納する収納部屋が湿度および温度の管理において最も害虫を寄せ付けることなく保存することを可能としたため、昔の人は布団を収納するスペースに雛人形を保存していたのです。
逆に雨風にさらされるであろう、人があまり立ち入らない物置に雛人形を補完しなかったのはそうした理由から雨風で雛人形が劣化することと、雛祭り時において即座に取り出すことができる場所はどこかを考えた場合、布団を収納するスペースに保管するのが望ましいと考えたわけです。
以上が、雛人形を飾るに適さない場所になりますが、逆を言えば、それに該当しないのであればどこに飾ってもよいというのが現在の雛人形の飾る場所になりますね。
一番良い場所についてはリビングや寝室の他みんなが目にする場所に雛人形を飾るのが良く、温度と湿度管理がされている場所であれば、リビングであれ、勉強部屋であれ、寝室であろうとどこでもよいというのが現在の雛人形の飾る場所になっています。直射日光についてもカーテンなどで日光が直接雛人形にあたることを防げるのであれば、どこでもよいというのが現在の雛人形を飾る場所です。
実は雛人形自体、現在ではどこでも飾ることができるくらいコンパクトな設計の雛人形が生み出されており、実際に雛人形を販売している事業者側も人形が劣化しないのであればどこに安置してもよいとしています。
高所に飾る必要性はないと事業者側も述べており雛人形自体がインテリア化していることについても述べたインターネット記事もあり、もはや雛人形は単に雛祭りでお子さんの成長をお祝いするだけではなく、インテリアとしても機能し始めています。