陶器造りのひな人形
丸みを帯びた可愛らしいフォルムが特徴の、陶器造りの雛人形は少し重みがあり、少し温かみが増す印象があります。
女の子の特別なお祭りである雛祭りに、薄桃色の花びらが舞う中、いつもとは少し趣の違う陶器造りのひな人形を、飾ってみるのも雰囲気が変わって良いかもしれません。
一般的には顔の部分に和紙を使用した素材の雛人形が多く出回っていますが、こちらも定番として大変人気があります。
毎年各地で趣向を凝らした雛人形が誕生しており、どんな雛人形のを飾ろうか迷ってしまいます。
そんな中で、ここでは陶器造りのひな人形のみ魅力についてお伝えしたいと思います。
日本の伝統であるひな祭りに、毎年飾られてきた雛人形ですが、新たな発見があると嬉しく思います。
和紙を使用したひな人形の多くは小顔で、より人間らしくリアルに作られているものが多い中、陶器で作られた雛人形は丸みを帯びていて、どちらかというとキャラクターのようなデザインが多くみられます。
素材の特性から陶器ではあまり精巧で複雑な形が表現しにくいという難点があります。
また、彫刻のように掘る事もできますが、折角の陶器のなめらかさが消えてしまうので、やはり手のぬくもりを感じる事の出来る丸くてなめらかな曲線を活かしたものが良いでしょう。
陶器の原料である土の材質や、仕上げ方によってもそれぞれひ雛人形の表情が変わってきます。
極端な例を挙げれば、表面がざらざらしたものや、つるつるしたものに分けられます。
さらに着色やうわ薬のかけ方によっても艶があったり無かったりと、バリエーションは様々です。
艶がなく、表面がすりガラスのような雛人形は落ち着いた伝統や歴史を感じられる印象になります。
艶がなく、表面が滑らかな雛人形は、土のきめ細かやかさを感じる事ができ、手に吸い付くような感触が特徴的です。
表面が滑らかで、艶も施された雛人形は、キャラクターとしての存在感が強く、現代らしさが現れているとも言えるでしょう。
これら3パターンに分類しても陶器の雛人形のバリエーションの可能性は広がる一方だということが分かります。
また、陶器造りのひな人形の特徴のひとつに、着物を着付ける必要がないというメリットがあります。
毎年飾った後、手入れをして丁寧に箱にしまう光景が目に浮かびますが、翌年箱を開けてみると着物が虫に食われていたという話は珍しくありません。
仕舞い方が乱雑であったり、一年の間に箱に何か衝撃が加われば中の雛人形は崩れて、着物もしわがついたり着崩れたりという悲惨な結果につながることもあります。
その点陶器の雛人形であれば、着物が虫に食われる心配もなく、着崩れる心配もありません。もちろん陶器にしわが付くなんてこともあり得ませんから、丈夫で長持ちと言われています。
このように陶器造りの雛人形は、手入れが簡単で扱いやすいのも人気のひとつと言えるでしょう。
もちろん陶器の雛人形にも着物を着せたデザインが可能ですので、どちらでもお楽しみいただけます。
髪の毛も絵付けすることによって乱れる心配がありません。
髪の毛が乱れると、とても素人では直せませんし、いつまでも整った髪のままでおいておけるのは陶器の雛人形の利点です。
汚れが落としやすくメンテナンスもしやすいのも、陶器の雛人形の特徴に加えられます。
手作業で絵柄を書くのは職人技であり大変ではありますが、着物を着付ける事に比べれば、柄のバリエーションも広がりますし、ニーズに合わせやすいのも強みと言えます。
その年の特徴に合わせたオリジナルの雛人形も毎年話題となっています。
近年では和風家屋も少なくなり、ほとんどの家庭が洋風造りの家になっています。
部屋の内装も洋風な事から、雛人形は飾らないという家も多いもではないでしょうか。
しかし女の子の居るお家では、やはり雛人形を飾りたくなるのが日本人の心情です。
昔ながらの伝統を廃れさせたくないと考えている所に、陶器の雛人形が新たなスタイルを生み出したのです。
先程陶器の雛人形はバリエーションが多くニーズに合わせやすいと述べましたが、まさに洋風の家に合う雛人形を造り出しました。
人間ではなく、動物をモチーフにした雛人形も陶器であれば実現しやすいのです。
愛らしいウサギやクマなどの陶器の雛人形は洋風の子供部屋にもよく似合います。
ぬいぐるみ感覚で部屋に飾れるようになったのです。
梱包も崩れにくく贈り物としても壊れる心配が少ないので安心です。
その他に、じつは雛人形は飾っている最中に倒れやすいという声もあるんです。
繊細に作られた雛人形は5段も10段も重ねられたところへ飾られるので、子供たちが少し触れるだけでもコロンと転がってしまうのです。和紙で作られた雛人形は軽いというのも特徴です。
陶器の雛人形は、程良い重みのため安定性があります。
飾っている周辺で少々騒いでも転がってくるという事もないでしょう。
このように変幻自在に姿を変えられる陶器の雛人形は、アイディアが何倍にも膨らみ、様々なニーズに合わせて時代とともに変化しています。
いつまでも雛祭りには雛人形を飾る家庭がある事を願いたいものです。