雛人形を子どもたちの為に寄付する
雛人形や節句の飾りというのはほとんどが祖父母や両親が買ってくれるものです。ですから必要な時になれば、自分がねだらなくても家にはちゃんと飾って用意されているということがほとんどでしょう。ですが、そうした雛人形などの節句のお人形も用意されていない環境で暮らさなければいけない子供たちというのもいるものです。
中には様々な事情で親と一緒には暮らせないという子供たちがいますし、またやりたいことがあってあえて親元離れて生活する子供たちというのもいるものです。そうした施設は、日常生活に困ることはなくても、お祝いや節句の行事などは何もしない、できないということもあります。
予算の関係も影響しているので、必要なものや施設で使われるものも、寄付などがないと満足に提供できないという事情もあるでしょう。ですから節句の日になっても何も飾られないという場合もあります。ですがこうした節句のお祝いというのも子供時代の大事な思い出になってくるものですから、施設などで暮らす子供たちに何かしたい、ということであれば、お雛様などの節句の飾り物を寄付してみても良いでしょう。
寄付であれば匿名で行うこともできますし、入学式のランドセル同様に子供たちのために使ってもらえるので嬉しいでしょう。現金などの寄付も子ども達の為に使われることには間違いないですが、それでも何にどれだけ使われたのかがはっきりしない場合もありますし、物を贈ったほうが形として残るので満足度が高いということもあります。
お雛様も施設に飾るのであれば大きな段飾りのものがたくさんの子どもたちに見てもらえるので良いですが、段飾りのものはとても高価で、自分一人で寄付するのは大変なので、お雛様を施設に贈るという目的で寄付の声掛けをしてみても良いでしょう。ただ児童養護施設などに寄付するだけであれば単独でもできますが、単独で行うのは何かきっかけがないと行動に起こしにくいものです。寄付したい気持ちがあってもそのきっかけがないから寄付できないという人も多いので、雛人形を贈るという明確な目標をたてて寄付をしてもらっても良いでしょう。
雛人形は一時的なものではなく、歴史あるものでこの先もずっとつづいていくであろう伝統です。そうした伝統の人形を施設で受け継いでいってもらえればありがたいものです。また、児童養護施設でなくても、児童館や放課後子供を預かる施設でもこうしたお人形の寄付はありがたく思ってくれるところは多いです。
すでにどこかから譲りうけている場合もあるので、寄付として贈りたいということであれば、まず該当の施設に聞いてみるということが大事です。雛人形はランドセルなどと異なり一人ひとつではなくみんなで共有するものでもあるので、雛人形ばかりがかぶってしまっても勿体ないことになってしまいます。まずは問い合わせしてみて、必要かどうかを確認してからにしましょう。
寄付する雛人形はお人形だけでなく、タペストリーやちりめんの飾りでも素敵です。ハンドメイドの作品をそのまま寄付して施設に飾ってもらうのも良いです。子どものいる施設は、壁や部屋もイラストや飾りで常に明るいイメージにしていることが多く、子どもが楽しく過ごせるような感じにしてあります。特に暦ごとに展示するものや飾りもちゃんと職員が変えていることがほとんどなので、雛人形関連の小物や飾りは喜ばれるでしょう。
部屋にいることが多い子供たちの心を明るくしてくれるものでもあります。ちなみに、寄付をしたいとは思っていても、交流のある施設がなかったり、どこに寄付すればよいのかの検討がつかないといったような場合は、市の役場などの福祉課に聞いてみても良いでしょう。そうした寄付の品を欲しがっている施設を教えてくれるでしょう。
そしてお雛様というと子供のもの、というイメージですが、ひな祭りを楽しむのは子ども達だけでなく老人も同じです。特に高齢者は今の若い世代よりも伝統や節句、日本人形になじみのある世代ですから、老人ホームなどの高齢者施設でもひな祭りになれば雛人形を飾ることがあります。高齢者は遠くに出かけることもできないですし、場合によっては老人ホームなどの介護施設の中で過ごすことのほうが多いということもありますから、そうした時に豪華な雛人形があれば目の保養にもなるでしょう。
雛人形は部屋の中にいることが多くてもちゃんとひな祭りの時期を感じることができますし、あるだけで癒されるので、個人で所有していなくても共同のスペースなどに飾るのがおすすめです。
またもう出さなくなったり、お披露目する機会もなくなった雛人形はお寺などで供養してもらうことが多いですが、そうした持ち主のいなくなったお雛様も寄付という形で再利用できると良いでしょう。昔ながらのお人形は作りも丈夫で繊細につくられているので、貰い手があればまた飾ってあげましょう。