「顔が命」で300年以上の歴史 吉徳大光のお雛様
吉徳大光と言えば、江戸（東京）で最古の人形店として有名です。
「顔が命の吉徳」というCMの歌を聞いたことがある人も多いでしょう。
江戸時代の正徳元（1711）年、浅草に初代治郎兵衛が人形店を開きました。これが吉徳大光の始まりです。
2011年で創業300年を迎えた老舗中の老舗です。
店主は現在も代々「治郎兵衛」の名を受け継いでいます。
また、この店は時の将軍徳川家宣公から「吉野屋」の屋号を賜っています。
明治時代に政府が華美を抑える為に五節句禁止令を出しましたが、この時８代目が節句に使う人形等の品物の販売存続を陳情し、それが認められて節句廃止令を止めてもらったこともあります。
現在の社長は吉徳１２代目、いつの時代も人形造りだけでなく、人形の歴史についての図鑑を刊行したり、資料室を設けたり、また宮内庁御用達となってご用命を排したりと益々栄えている人形店です。
◆吉徳大光の雛人形
吉徳大光の雛人形は、時代に合わせ、昨今の生活も考え、親王飾りから段飾りまでバラエティ豊かな品揃えとなっています。
自分の家に合ったお雛様がきっと見つかります。
また、それぞれの雛人形が顔はもちろん、衣裳の織りや色彩に至るまで細かいところまで丁寧な仕上げとなっているので、ファンが多いです。
◆親王飾り◆
お内裏様とお雛様１対だけを飾る雛人形です。
立った姿の「立ち姿」もあり、座り雛共々金屏風又は華やかな柄の屏風を背に、親王飾りが置かれています。
中には衣裳や仕立てに拘って作られた『江都みやび親王飾り』や吉徳大光が徳川家に因んで作った『姫君雛』、特に桜をモチーフとしている『春彩シリーズ』もあります。
親王飾りの両脇には左近の桜と右近の橘、ぼんぼりが、中央には菱餅が置かれているものもあります。
置かれている台も高さを取って、台にも様々な模様が描かれているので、好きな模様を選ぶことが出来ます。
価格は、上は50万円近いものもありますが、15万円～20万円位が最も多い価格帯となっています。
◆三段飾り◆
三段飾りは、
・お内裏様とお雛様、三人官女、お嫁入り道具
・お内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子
・お内裏様とお雛様、三人官女（１段目）、２人の童子の舞姿（２段目）五人囃子（３段目）
・お内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子と舞人２人
といったような種類があります。
舞人を加えた点が新しく、優雅さを醸し出しています。
飾りには、桜、橘、紅白梅、ぼんぼり、菱餅、紅白餅、といった物が付いています。
価格は約19万円～焼く46万円程です。
◆段飾り◆
・五段飾りと七段飾り
五段飾りでは、全１７人の雛人形を、趣向を凝らした吉徳独自の並びで配置しています。
舞人がいるものもあります。
また、緋毛氈ではなく黒の漆で仕上げたものもあり、鮮やかな衣裳が黒を背にくっきりと美しく映えています。
七段飾りは、正当な雛飾りといっ趣があります。
価格は、約36万円からとなっています。
・能楽鶴亀雛
吉徳大光オリジナルの舞人を五人囃子と同じ３段目に配した雛飾りです。喜びの舞を舞っている姿を表しているそうで、能楽堂も置かれていてとても雅びやかです。
台の前面には本加賀蒔絵が用いられていて、重厚感も同時に感じさせます。
価格は約85万円です。
◆ケース飾り◆
ガラスケースに入ったコンパクトな雛飾りです。
大きさも間口が50～60cm前後で、飾る時も仕舞う時も簡単です。
・親王飾り
お内裏様とお雛様、ぼんぼり、紅白梅、お嫁入り道具のどれかが複数付きます。
ピンクの丸形のアクリル製の物もあり、かわいらしさが人気となっています。
ケース入りとはいえ、吉徳大光の雛人形なので衣裳等の造り・色合いはとても精巧です。
価格は6万円～約19万円です。
・立姿
立った姿の親王飾りです。
こちらは、天皇だけがお召しになれる『黄櫨染』・『桐竹鳳凰文』の衣装をまとった格調高いお内裏様となります。
背景は黒の漆に金粉で富士山を描き、下半分は白い雲が重なっています。
価格は11万円です。
.・五人飾り
お内裏様とお雛様、３人官女の飾りです。
他に、紅白梅、ぼんぼり、貝桶、盃等が付きます。
女性が多いので、明るく華やかな雛飾りです。
価格は、約6万円～約19万円です。
◆収納飾り◆
お雛様は仕舞い場所を取る点が悩み、と言う人も多いことでしょう。
こちらは飾り台の中に雛人形が収納出来る便利なお雛様です。
マンション住まいの人が多い昨今、種類も豊富で人気が高い雛人形です。
・親王飾り
台や屏風がシンプルなものから艶やかなものまで揃っています。
また、背景から台の模様まで一続きになっているモダンなデザインもあります。
中にはピンクの台や白木に近い色の木調のものもあるので、お好みのものが選べます。
お内裏様の衣裳も紫色から二重織物、黄櫨染のものまで揃っています。
飾り物もぼんぼりが高灯台になっているものもあり、平安の昔を偲ぶ造りとなっています。
価格は約9万円～26万円ほどです。
・五人飾り
お内裏様とお雛様、三人官女、嫁入り道具類の雛飾りです。
価格は約20万円～30万円です。
・十二人飾り
お内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子、舞人2人の雛飾りです。
能舞台で舞う童子2人が目を引きます。
五人囃子も赤い衣裳を着ていて、全体的に明るいお雛様です。
価格は38万5千円です。
吉徳大光のお雛様は、やはり顔が綺麗です。
くせのない、穏やかで上品な顔立ちは、流石「顔が命」と人形造りを300年以上続けてきたお店だけのことはあります。
大事な娘さんの誕生を祝い、また幸せなお嫁入りを願って吉徳大光のお雛様を選んでみては如何でしょうか。
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