羽子板の飾り方に決まりなどはあるのか?
古来から日本では、赤ちゃんが生まれるとその健やかな成長を祈り、魔を退けるために、男の子には破魔矢を女の子には羽子板を飾る習わしがあります。
加えて、赤ちゃんが正月を無事迎えられたことを祝って、これらを飾ったものです。
何しろ昔は、7歳までは神のうち、と言われたように小さな赤ちゃんはなにかのことで命を落とすことも多かったのです。
なので両親家族一同、初正月を祝って、これからも大過なく子供が大きくなれますようにと、祈ったわけです。
・羽子板と言ってももちろん遊ぶためのものでなく
羽子板という物自体、今では若い人には馴染みのない言葉になってきています。
正月に羽をついて遊ぶ道具、という認知はまだあるでしょう。しかしそれ以外にこうした儀式に近い使い方も、あるのです。
もちろん実用的なものではなく、押し絵の華やかな羽子板が使われます。
ただ羽根つきという遊び自体も、厄払いの意味があるので、単なる遊びだけではないのです。
きちんと意味があって、正月に羽つきが行われるわけなのです。新年に、その年の厄を払うという意味が、羽つきにはあるのです。
・羽子板は何時から飾るのが正解?
羽子板を飾り始めるのは、12月の中旬あたりが良いとされています。なので12月に入ったら、どこに飾るかを決めておいたほうがいいでしょう。
特に羽子板を誰が贈るかと言うことについても、予め相談しておくことをおすすめします。
昔は羽子板は、母方の実家から贈るものとなっていました。でも現在は特にそう言った慣習は気にされなくなっています。
そのため逆に、誰が贈るのかをよく相談しておかないといけません。
父方の実家にしても、母方の実家にしても、可愛い赤ちゃんのために羽子板を贈りたいという気持ちは同じです。
きちんと相談して、贈るタイミングなども打ち合わせておきましょう。
何よりも、どちらの実家にも気持ちの行き違いが起きないように、きちんと話し合うことが大事です。
そして飾るのに間に合うように、送ってもらうようにしましょう。
大晦日の一夜飾りや、12月29日に飾る場合の苦立てと言われる時期は演技が良くないとされるので、避けて飾るようにしてください。そしてそれ以前に届くように、お願いすることも忘れないでください。
・飾る場所については決まりがある?
今の世の中だとそれほど飾る場所について、決まり事はありません。もちろん方位などについても、細かく考えて決めることも出来ますが、そこまで気にする必要もないでしょう。
赤ちゃんのそばにスペースがあれば、近くに飾ってあげるのがいいですね。
ただ、厄を払ってくれるという意味もある羽子板ですので、できれば上座を意識することをおすすめしたいです。
お座敷の場合床の間がありますので、そこに飾るのが最もふさわしいことになります。赤ちゃんを寝かせているのが和室なら、そこの床の間に飾るのがいいでしょう。
もちろん床の間でなく、他の場所でも構いません。
ただ呪術的言われもあるので、見下ろす位置に置くのはあまり良くないとされています。棚の上に置くなど、工夫してみてください。
魔除けの意味も込めて玄関に飾るのも悪くありません。玄関が華やかになって、来客にもきれいな羽子板を見てもらえます。
いずれにしても、できれば直射日光の当たらない、風通しのいい場所に飾りたいですね。せっかくの羽子板の劣化を招かないように、その点も気をつけましょう。
・和室がない場合はどうしたらいい?
和室がなくても羽子板を飾る場所は結構あるものです。玄関はもちろん、リビングなどにおいても空気が華やぎますね。
また赤ちゃんのベビーベッドのそばに、棚などあればその上に飾るのもいいでしょう。
洋風の家に羽子板というのはどうなんだろうと思うかもしれませんが、和洋折衷で意外とマッチするものです。
ケース入りの羽子板の場合、それこそどこにでも飾れるので大変に便利ですよ。
こちらも同じく、直射日光の当たらない風通しのいい場所に飾るようにしてください。
・何時まで飾っておくべき?
12月の中旬から飾り始める羽子板ですが、一般的には小正月の1月15日までにしまうのが良いとされています。
しかしあえてしまわないで、年中飾りにするということも可能です。正月だけの飾りではもったいないと感じたら、そのまま飾り続けましょう。
しまう時には、天気の良い乾燥した日にしまうのがおすすめです。防虫剤を1個か2個入れて、また除湿剤も入れてしまうようにしましょう。次の年まで綺麗なままでしまっておけるように、少しだけ手をかけてください。
ただ羽子板の中には、樹脂を使っているものもあります。その場合には防虫剤は使用しないで、鷹の爪を数個入れてあげてください。
羽子板を飾るということについて、特に難しく考えることはありません。赤ちゃんの成長を祈ってすること、これだけを思っておけば充分です。
それでもやはり慣習などが気になる場合、地域などによっても違いがありますので、親族やその地域に長く住んでいる人の知恵を借りてください。
健やかな赤ちゃんの成長を祈るために、羽子板で厄払いをしてくださいね。