羽子板がケース入りになった理由
羽子板をお正月につくという文化は、元々は、羽子板の打たれる側の黒くて堅い玉を無患子(むくろじ)と読み、子供が病気にならないということを込めて羽子板で球をお正月に付くという風習が定着したものです。
ですがこの文化は次第に贈り物をする文化へと変化し、羽子板には彩色し細工が施されるようになっていったのです。
何故、彩色をして細工までを施すようになったのかでしょうか?羽子板で羽をつくという文化自体は庶民が産んだ文化になるのですが、その文化が貴族に伝わると贈り物をする文化へと生まれ変わり、羽子板に彩色をしたり細工をして彩り着飾る文化へと進化したわけです。
そこから時代が進むと今度は羽子板をケース内に収納し、贈り物としたのが今現在のケース入りの羽子板になります。この羽子板は、すでに羽子板としての機能は失われており、単に贈り物で邪気を払うという貴族が貴族に子供の成長をお祈りするための贈り物として贈ったものです。
女性の絵が描かれている理由についても羽子板で羽をついていたのは女性が中心であったが故、成長した女性はおそらくこのような姿になるであろうということを込めて、大人の女性の絵を描いているのが今も昔も変わらない羽子板です。その為、子供の安全祈願で女の子が生まれた家庭に送るものが羽子板なのは、昔からの風習の名残で女の子は羽子板で厄払いをしていたことから、女の子は羽子板で厄払い、男の子は弓で厄除けをしていたから破魔矢という矢になったわけです。
では羽子板をケース入りにする必要性があったのかどうかについて紹介します。これに関してはケース入りで売り出す必要性はあると言えます。何故なら、羽子板は、厄除けやお守りとしての効果が期待されるようになることでだんだんと装飾が派手になり、凝った装飾が施されるようになりました。その為、購入者側が持ち帰る際、ケース内で固定されている羽子板の方が持ち帰りやすく羽子板の装飾を損壊させる可能性が低いので安心です。
羽子板の装飾の手の部分に最近ではお守りを持たせた羽子板の商品が登場したことにより、ケース入りの存在はかなり大きくなったと言えます。無論ケースに入っている分持ち帰りは難しくなりましたがインターネット通販でもケース入りの商品を購入可能となった現在であれば、ケース入りという選択肢はインターネットでも普及し羽子板を損傷させずに輸送する手段になっています。
ケースがガラスであっても輸送において安全なのか?という心配も出てくるでしょう。通常、ガラスケースの商品においては販売事業者側は商品がガラス製品であることを輸送時にパッケージングしたパッケージに記載し、割れ物であるシールを張り付けますので後は輸送者側がそのパッケージを見落としてないかどうかになります。
ケース入りの羽子板自体がガラスケースのケースではなくアクリルケースという可能性もあり、こちらのケースの場合、落下では割れないため強い衝撃さえ与えないような記載でも運送を可能としますのでこれら輸送時における問題については輸送者側がよほど輸送商品の注意書きを無視しない限り安全であると言えるのです。
羽子板をケース入りにしたことで受けられる恩恵ですが、羽子板の装飾が損傷しないこと、他羽子板自体が汚れないことが大きな恩恵です。通常お守りや厄除けに使用する置物は年月とともに汚れが付着しますがケースに入れて保存することで汚れるのはケースのみになり、中に収められている羽子板自体は汚れません。この恩恵はかなり大きく、インテリアとしても機能する由縁がこのケース入りの羽子板であるということです。
現在の日本は、厄除けやお守りとして機能する商品群をインテリアとして設置するという風習もあり、例えば、鯉のぼりなども卓上鯉のぼりのケース入りなどがまさにインテリアとしていつまでも設置し、子供の成長を祈る商品になります。羽子板も例外ではないと言えます。
インテリアとして機能させるのであればケース入りは必須となり、その理由は汚れていくとインテリアとしての役割は不十分となりケースだけが汚れていくものの方がインテリアとしてはふさわしいということです。掃除をしてきれいにできればいつまでも使用できるのがインテリアである置物であるため、それを尊重できるのがケース入りであるのです。
羽子板がケース入りになったい理由は、日本の文化が変化していく過程で羽子板を厄除けやお守りとして以外にインテリアとして楽しむようになりました。羽子板はケース入りとなりインテリアとしても機能する商品へと置き換わっていったということです。こうしたことは別に珍しいことではなく、日本ではインテリアとして着飾るものにフィギアなどがあり、羽子板もまた、同様にインテリアとして設置することができるよう文化が進化したということです。
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