羽子板がいらない時の対処法
日本では昔から、初正月には女の子に綺麗な羽子板を贈るという風習がありました。ですが、時代の流れから羽子板についての知識が薄くなり、購入しないという人も増えてきています。また、羽子板を贈ろうとしたら、断られたという人もいます。
羽子板は、本当にいらないのでしょうか?そして、もし羽子板を贈ろうとして断られたら、なにもしなくていいのでしょうか。ここでは、羽子板についての基礎知識や、いらないと言われた時の対処法について解説します。
これまで、羽子板はいらないと言っていた人も、飾る理由を知ると、その考えが変わるかもしれません。
・基礎知識
そもそも、羽子板はなぜ初正月に贈るのでしょう?
羽子板が誕生したのは、7世紀まで遡ると言われています。当時、宮中では毬杖(ぎっちょう)という遊びから始まりました。ヘラのような杖を使って毬を打ち込むという遊びが、いつしか羽子板の形になり、羽根つきと呼ばれるようになりました。
お正月に羽根つきをしていたのは、年の始めに邪気を跳ねのけて、無病息災を願っていたからです。羽根つきの音は邪気が嫌うとも言われていたそうで、お正月には羽根つき遊びをするのが増えてきました。
そして、それまで羽根つきに使っていた羽子板は、次第に遊ぶものと飾るものに分かれていきました。
羽根つきでは、無患子(むくろじ)の種子を使うことから、親は子供が患うことがないようにと、美しい羽子板に願うようになったのです。
ですが、それなら男の子が誕生した時にも飾って良いはずです。なぜ、女の子だけなのでしょう。
それは、羽根つきは元々女性がおこなっていた遊びだからという説があります。そのため、女の子のお守りになったのだとも。
その一方で、男の子には破魔弓というお守りが元々あったためとも言われています。
そして、羽子板は年中飾っていても問題はないとされています。我が子の成長と無事を祈る気持ちは、1年中続きます。羽子板もまた1年を通してお子さんの成長を見守って行くのです。
これまで、羽子板はいらないと考えていた人も、羽子板を飾る意味について知ることが大切なのです。
・羽子板をいらないと言われたら
お爺ちゃんお婆ちゃんにとっては、初孫に女の子が誕生した時には、羽子板を贈りたいと思いますよね。ですが、マンションやアパートの場合は、なかなか飾る場所もないため、断られるというケースも少なくはありません。
ですが、せっかくのお祝いです。なにもしないというのは寂しいものです。
この場合、現金でお祝いするという方法もあります。お祝いに現金というのは失礼ではないかと躊躇う人もいるかもしれません。ですが、お祝いの気持ちがあればなんの問題もありません。なぜなら、そのお金は、女の子が成長していくために使われるのです。この時に困るのが相場ですよね。一体、いくら包めばいいのだろうと悩む時には、羽子板の相場を参考にするといいでしょう。羽子板の相場は、約3万から5万ぐらいなので、その範囲でおさめましょう。
羽子板を渡したいという気持ちもわかりますが、相手にも事情があります。その事を考慮することも必要です。
また、封筒に祝初正月と書いて渡すと、誕生を祝うという気持ちも伝わります。
・羽子板を飾らなくなったら?
羽子板をインテリアとして飾る人もいますが、基本的には子供が成長するまでのお守りという考えから、昔の成人の年である数え年15歳までとされています。羽子板がいらなくなったらどうしたらいいのだろうというので、悩んでいる人も多いでしょう。
この時に、知り合いに女の子が生まれたからと譲ることを考える人もいますが、それはあまり推奨できません。羽子板は、我が子の成長や無病息災を願い続けたものです。持ち主はお子さんなのです。安易に人に譲るのは、相手にも羽子板にも失礼にあたります。
リサイクルショップに出すことも同じです。もし、手放すのであればしかるべき方法で処分しましょう。
役目を終えた羽子板は、神社やお寺で供養していただくのがいいでしょう。その時には、これまで我が子の無事と無病息災を守り続けてくれたことに感謝する気持ちが大切です。
羽子板は、昔から親が子供の成長を見守るために購入し、飾り続けてきたものです。まずは、その意味をしっかり理解した上で、飾るか飾らないかを決めることも大切です。もちろん、飾らなくても問題はありません。大切なのは、子供の健やかなる成長を願う気持ちなのです。
また、様々な事情から羽子板をいらないと言われた時には、お金で贈るのも決して悪いことではありません。時代の流れから、お祝いの方法というのも変化してきているのです。
また、お子さんが立派に成長して、羽子板がその役目を終えたと判断した時には、処分する方法も考えましょう。
お子さんの成長を願い続けた羽子板です。安易に人に譲るのではなく、きちんと供養してもらい、正しい処分をしましょう。
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