五月人形と鯉のぼりについて
・なぜ五月人形と鯉のぼりを飾るのか
5月といえばゴールデンウィークの期間になりますが、5日は「こどもの日」ともよばれています。こどもの日といえば男の子が健康な体になるよう成長することを願い、五月人形や鯉のぼりを飾る家が多いです。なぜ5月5日になるかといえば「五節句」によるもので、月日が奇数で同じであれば良いことがあるという中国伝来のものによります。「端午の節句」は「五節句」のひとつになり5月5日になり、3月3日は「桃の節句」で「ひな祭り」と呼ばれ女の子が健康に育つようにお祝いすることとは対照的になります。
節句といえば季節の変わり目のことを指し、病気になりやすい時期に当たります。当時は現在のように医療の発達していなかったため、厄払いの風習や神様に無病息災を祈りお供えをするための行事が頻繁に行われました。このため、「端午の節句」には現在まで続き、五月人形と菖蒲を飾る風習が残っています。現在ではマンションや団地など集合住宅に家族で生活をすると鯉のぼりを飾ることは難しいですが、古い一戸建ての家には4月後半から見られるようになっています。しかし、五月人形は自宅の見やすい場所にケースに入れて飾ることが多く、集合住宅やマンションでも制限を受けないことが特徴です。
・端午の節句とはどのようなことをするのか
端午の節句は食事でたけのこご飯や柏餅など伝統的な節句料理があり、男の子がいれば健康に育つように願います。また、一部の地域では菖蒲湯につかったりという風習が残っていますが、最近ではこのようなことがあることを知らない人も多いです。
4月の終わりから5月の初めにかけてはゴールデンウィークがあり、昭和の日からこどもの日まで1週間程度の連休になります。この時期に合わせて親戚に幼い男の子がいれば自宅に行ってお祝いをする家庭もあり、家の外には鯉のぼりを飾り中には居間などに五月人形を飾ります。また、家族が全員で集まり節句料理を作って健康に育つように願って食事をする傾向がありますが、最近ではその風習を知らない人も多いです。
・五月人形と鯉のぼりの違いとは
端午の節句は一年に一回しかありませんが、男の子が健康に育つように願うために重要な時期になります。五月飾りは「内飾り」と「外飾り」がありますが、地域や家の状況によっては片方だけの場合もあります。
五月人形は「内飾り」のことであり、「甲冑飾り」や「武者人形」などがあります。飾る目的は「子供の健やかな成長を願う」ことになり、室内で見やすい場所に置く家が多いです。鎧は武士の防具であったため兜を飾ることで災厄から身を守ってくれることを期待でき、男の子が幼いときにすると効果があります。武士が戦いのときに身に着けた鎧や甲冑は親が男の子に対して、強くたくましい武将になることを願っていたためそれが現在に伝わって飾る家も多いです。このような風習は昔から伝わる家に多く、先祖が武士や軍人であれば当時のしきたりが現在に伝わっている可能性が高いです。
五月人形は一式を購入すると非常に価格が高く一時期しか使わないため、お金がなければレンタルをする方法もあります。飾る時期は4月の下旬からこどもの日までになり、そのためだけに20万円をかけることも難しく、季節感を手軽に演出してみたいと考えているときに最適です。なお、桃の節句でもひな人形のレンタルもでき、男の子と女の子がいる家庭では役に立ちます。
一方の「外飾り」は鯉のぼりであり、五月になると利根川などで鯉のぼりのイベントがあることでも知られています。家庭向けの鯉のぼりは男の子がいる家の外に飾るために使われ、起源は江戸時代で300年前から伝わっています。端午の節句に取り入れるきっかけは中国の伝説に「鯉が黄河の上流にある龍門をくぐると龍になる」という内容があり、鯉を立身出世の象徴とすることです。また、矢車は男の子が生まれたことを神様に伝える役割があり、吹き流しは魔除けをするために使われています。鯉のぼりの飾る場所は家庭によって異なりますが、近年では大都市の都心部を中心に団地やマンションなどの集合住宅が増えたことで禁止されているところも多いです。
鯉のぼりは様々なデザインがありますが購入すると高くなり、一時的に使うならレンタルをすると手軽に飾れます。また、風になびくように複数の鯉のぼりをレンタルすると遠くからでも目立ちやすく、好みに合わせて選ぶと男の子の成長を願いやすいです。最近では鯉のぼりに関するイベントが行われ、東京スカイツリーや利根川などで4月の下旬からこどもの日にかけて多くのデザインの鯉が展示されています。また、風景写真でも鯉のぼりがなびく姿が投稿され、インスタ映えをすることでも人気です。このため、男の子が健康に育つように願うことだけでなくゴールデンウィークの風物詩にもなり、春が来たということを実感させるようになっています。
鯉のぼりと五月人形は男の子が健康に育つように願って使われますが、時代の流れや家庭環境、地域の風習によって考え方が変わっています。
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