五月人形 旗を飾る意味や飾り方について
五月人形の横に旗が飾られているのを見かける人もいるでしょう。兜や鎧の意味はわかりますが、旗を飾る意味とはなんでしょう。また、飾り方に決まりやルールはあるのでしょうか。そこで、五月人形の横に旗を飾る意味や飾り方について詳しく解説します。
旗を飾る意味や飾り方について詳しく知っているか、知らないかでは飾るときの気持ちが変わります。
・旗を飾る意味
五月人形の横に旗を飾る理由は、戦国時代にまで遡ります。
多くの人達が戦う戦場では、誰が味方で敵なのかわからなくなってしまいます。そこで、自軍の陣地に家紋入りの旗を立てて、間違えないように区別していたのです。いわば、存在感をアピールしていたのです。
五月人形の旗も、理由は同じことです。お子さんの名前を入れることによって、その存在を周囲にアピールできます。また、兄弟の多いご家庭では、旗に名前を書くことによって、「自分の五月人形」という意識をお子さん自身にも持ってもらえます。
・絵柄
旗には、名前の他に縁起のいい絵柄も入れます。そして、この絵柄によって意味合いは少し違ってきます。
中国では、最も高貴な聖獣として知られ、福を招くとされる龍は、とても人気が高い絵柄です。そして、生命力の高い鯉や子供の成長を願う虎も、旗にふさわしい絵柄です。
子供の健康と成長を願う旗には、親がそれぞれ抱く子供への希望もたくさん込められているのです。健康に育ってほしい。たくましく凛々しく成長してほしい。そういった気持ちを絵柄に託すのです。
旗の絵柄を選ぶときには、まずは絵柄の意味について知り、願いにふさわしい柄を選択しましょう。
また、最近ではお子さんが好きなキャラクターを描いた旗もあります。お子さんがまだ小さいときには、こうしたユーモア溢れる柄でもいいのではないでしょうか。
・名前
旗において、お子さんの名前は大切です。このときに、刺繍だからいいとか、プリントはいけないということはありません。名前の部分が刺繍でも、手書きでも、プリントでも、親が子供に対する愛情は同じです。選びやすいものや、気に入ったものを選ぶようにしましょう。
・家紋
旗を飾るときには、家紋について意識する人もいるでしょう。家紋は、絶対に旗に記載しなくてはいけないというわけではありませんが、できれば入れた方がいいでしょう。
家紋というのは、親から子へ、そして孫へと代々受け継がれてきた、いわば家の印のような存在です。
お子さんにも、自分のルーツを教える意味として家紋は入れておいた方がいいでしょう。
・サイズ
旗には、色々なサイズがあり、どれを選んだらいいのか迷う人もいるでしょう。そのときには、五月人形のサイズをご確認ください。背丈が高い五月人形に、小さな旗ではあまり見目がよくありませんよね。ですが、だからといって旗だけが大きければ、これもやはりバランスが悪いものです。五月人形の背丈が高いときには、約60センチほどの旗がちょうどいいですし、コンパクトな場合は、約30センチほどの旗が最適です。
旗のサイズがなかなか決まらず迷ったときには、店のスタッフに相談するなどして、的確な大きさを選ぶようにしましょう。
・飾り方
旗を飾る意味がわかっても、どこに飾ったらいいのか迷うときもあります。そんなときには、上座を意識すると間違えません。上座は、五月人形に対して向かって右側です。これさえ覚えておけば間違いはありません。
・気をつけたいこと
間違えやすいのが、旗を五月人形の代わりに飾るというものです。部屋が狭くて、なかなか五月人形は飾れないというときに、せめて旗だけでもと考える人もいます。ですが、旗はその子の存在をアピールするためのもので、五月人形とは違います。五月人形の代わりに飾ることはやめておきましょう。
また、小さなお子さんがいる家庭では、お子さんが旗をオモチャにしてしまったり、イタズラをすることもあります。サイズによってはかなり大きなものもあり、長い棒で怪我をする恐れもあります。旗を置くときには、お子さんの手が届かないところに置くか、それとも固定をして動かせないようにすることも大切です。
五月人形は、お子さんの無病息災などを願って、親が真心を込めて飾るものです。
旗の他にも、立身出世を願って鯉のぼりを飾ったり、お子さんを守ってもらえるように弓太刀を飾ることもあります。様々な飾りを準備することは、親にとって楽しみの1つでもあるのでしょうが、全体的に見たときにゴチャゴチャしていては落ち着きません。
旗を飾るときには、五月人形との全体のバランスを考え、旗を効果的に飾るようにしましょう。
おすすめは、旗よりも背が高いものは避けるか、もしくは離して飾ることです。そうすれば、旗もよく見えますので、よりお子さんの名前を周囲にアピールできます。
見た目もスッキリして、清々しい気持ちで、端午の節句をお子さんと一緒に過ごすのがいいでしょう。