五月人形は出しっぱなしにしても大丈夫なのか?
男の子を育てていらっしゃるご家庭では、毎年「端午の節句」と言われる5月5日が近づくにつれ、
五月人形を飾られることが主流となっています。
しかし、中には五月人形を5月5日を過ぎてもしまわれないご家庭や、一年中飾られておられるご家庭もあるようです。
今回は、五月人形は出しっぱなしにしておいても大丈夫なのか?ということについてお伝えしたいと思います。
皆さんご存じの通り、3月3日は「桃の節句」と言われ、女の子をお持ちご家庭では
ひな人形を飾られる方も多いと思います。
そのひな人形ですが、昔からの言い伝えとして、3月3日が終わったらすぐに片づけないと
「女の子の婚期が遅れる」や、中には「罰が当たる」などと言われている地域もあるようです。
実際、ひな人形を出しっぱなしにされているご家庭は少ないと思います。私自身、そういったご家庭をみたことはありません。
ですが、五月人形はどうでしょう。
前述しましたように、一年中飾られているご家庭もあるのです。そもそも五月人形は、出しっぱなしにしておいても、
ひな人形のような悪い言い伝えを聞くことが、あまりないように思われます。
五月人形は、「こどものすこやかな成長を願う」という意味合いで飾られております。
昔の人は、5月を縁起が悪い月と思われていたようです。なぜなら、5月には偶然なのか病気や災難に見合われることが多かったそうです。そういったことから五月人形は、「こどもの身代わりに事故や病気などといった災厄を引き受ける」という意味も込められています。
5月5日こどもの日は、男の子のすこやかな成長を祈りながら、家族みんなでお祝いするという行事なのです。
さて、男の子の五月人形の出しっぱなしによる悪い言い伝えはあまり聞かないと前述で述べましたが、
実際人形の専門店の方や、人形の知識に関して詳しい方々も、5月人形の出しっぱなしに対して
問題はないと言われているようです。
最近では、コンパクトでおしゃれな五月人形がたくさん出回っておりますので、1年中出しておいて、
ご家庭のお部屋のインテリアとして楽しまれる方もいます。1年中出しておくことで、片づけの手間が省けるというのも良い点ですよね。また、五月人形は男の子の厄の身代わりになってくれるということから、1年中飾っておくことで、安心にもつながります。
しかし、5月人形を1年中出しっぱなしにしておく場合には、いくつかの注意も必要です。
まずは、ホコリです。どんな人形でもそうですが、飾られている環境が悪いとせっかく高価で買った人形も劣化が早くなります。
ついてしまったホコリは、掃除機で吸い取るのではなく、粘着シートを使って取り除いてください。
また、兜や剣はきれい綿棒や人形用の清潔な布で、優しくふきとってあげてください。
ケースつきの五月人形でしたら、ホコリのお手入れは簡単にできますのでおすすめです。
次に、湿気です。人形は、湿気に弱くすぐにカビがはえます。カビから人形を守るためにも、お部屋の湿度はこまめにチェックすることが大切です。除湿器やエアコンを使用し、上手に空調を行ってください。
また、出しっぱなしではなく、5月5日以降しまわれる方は、十分乾燥した状態で湿気のない場所へ保管するようにしてください。保管する際には、人形用の防虫剤を一緒にいれておくこともおすすめします。また、五月人形を出す日は、天候の良い日にするといいでしょう。
万が一、カビがはえてしまったときは、早めに乾燥した布で拭きとります。
カビの臭いをとる意味でも、晴れた日にが日陰に干してください。どうしてもカビが取れない場合は、人形の修理専門店へ行かれることをおすすめします。
また、五月人形は小さいお子様がおられるご家庭で積極的に飾られている傾向があります。
小さいお子様がうっかり壊してしまわないよう飾る場所にも注意することが必要です。
破損以外にも小さい部品がありますので、あまりに月齢の低いお子様の場合は、誤飲にもお気をつけください。
また、剣などの先がとがっているものもあるため、お子様が怪我をされないよう手の届かない場所へ飾りましょう。
いくつかの注意点を述べましたが、大切な五月人形が劣化しないように清潔に飾ることを心がけていくことが必要です。
また、五月人形は実際お子様が何歳まで飾られることが多いのかというと、
実際確実な年齢は決まっていないようです。
五月人形はお子様の厄の身代わりでもあるため、いつまででも飾っておいても大丈夫なのですが、
20歳の成人を機におやめになられる方が多いようです。
成人=自立と考えられることで、五月人形の役目を終えたという具合でしょうか。
各ご家庭で様々な考えがあると思いますが、もう飾らないという場合は人形供養をすることをおすすめします。
五月人形に対して「今までありがとう」という感謝の気持ちを込めて、しっかり供養してあげてください。
人形供養は地域によりますが、お寺や神社で行われていることが多いです。看板が出ているところもありますし、インターネットで調べると、お近くの人形供養ができるお寺や神社が見つかると思います。
最後になりますが、出しっぱなしでも大丈夫だとわかった五月人形ですが、
日頃のお取り扱いには十分気を付けながら飾るようにしましょう。
そして、役目を終えて頂いた暁には、感謝の気持ちを込めて送り出してあげたいですね。
男の子の身代わりでもある五月人形、とても勇ましく素敵なお人形だと思います。