五月人形はいつまで飾る?片付け時期や飾る事をやめる時期を解説
おひな様は何月頃になったら出していつまでにしまうとよい、結婚するまでは飾るとよい、など言われていますが、五月人形に関してはあまり聞いたことがない人が多いのではないでしょうか?
今回は、五月人形はいつからいつまで出したよいのか、何歳まで飾ったらよいのか、収納する際の注意点、供養の仕方について解説します。
- 五月人形はいつからいつまで飾るの?
五月人形は、子どもが健やかに育つように、子どもの身代わりになって災厄から守って欲しい、との願いを込めて飾られるので、いつまでに飾っていつまでに片付けなくてはならない、という決まりはありません。そのため、1年を通して飾っている家庭もあります。
季節的な行事として飾りたい場合は、一般的には3月の春分の日を過ぎてから4月の中旬くらいに飾り始め、5月の中旬を過ぎたら片付けることが多いようです。
ただし、5月の中旬を過ぎて梅雨に入ってしまうと湿気が多くなるため、片付ける時に人形に湿気が入り込み、カビが生える原因となることがあります。片付ける時は、天気がよい日に片付けましょう。
- 五月人形は何歳まで飾ればいいの?
上記で述べたように、五月人形は子どもの成長や災厄を避けることを願うので、何歳になったら飾るのはやめる、という決まりもありません。
昔は成人の儀式である「元服」を行うまで飾られていた、と言われています。子どもが大きくなり学校を卒業した、就職した、成人した、自立した、などの区切りの時期まで飾り、後は両親の判断でどうするかを決めるといいでしょう。
子どもが結婚して男の子が生まれた時にまた飾ってもいいですし、人形供養をしてもかまいません。
- 五月人形を収納する際の注意点
五月人形を収納する際には、次の3つの点に注意してください。
〇風通しがよく直射日光があたらないところに収納する
五月人形は湿気が多いところに収納すると、カビが生える危険性が高くなります。また、寒暖の差が激しいところも、結露が発生してカビやサビが生えてしまうことがあります。かといって直射日光があたるところは、色があせたり変わったりしてしまう可能性もあります。
そのため、五月人形は、押し入れの上の段や天袋に収納するのがおすすめです。入れっぱなしにせずに、時々戸を開けて空気を入れ換えたり、下にすのこを敷いたりするとより安心です。
〇防虫剤を入れる場合は専門のものを選ぶ
虫食いを避けるために防虫剤を一緒に入れる時は、スーパーマーケットなどで販売されている衣類用ではなく、人形専門の防虫剤を使用してください。
衣類用の防虫剤を使用すると、含まれている成分の働きで金銀の糸や金箔が変色したりプラスチック部分の腐食や金属部分のサビなどが起こったりする危険性があります。
どれを選んだらよいかわからない時は、人形を購入した店や専門店にアドバイスしてもらうと安心です。
〇乾燥剤は一緒に入れない
カビを防ぐためには乾燥剤を入れるといいのでは?と思いがちですが、防虫剤と乾燥剤を一緒に入れると化学反応を起こして人形にダメージを与える場合があるので、入れるのをやめるか別々の場所に入れるようにしましょう。
また、乾燥剤を入れすぎると人形のひび割れの原因となる場合があるため、適切な量を入れてください。
- 人形供養の仕方
役目を終えた人形をゴミとして捨てるのは忍びないですし、いい気持ちもしません。五月人形は何歳まで飾ればいいの?の項目で述べたように、飾ることをやめた人形の取り扱いの1つに「人形供養」があります。
人形は子どもの災厄を身代わりに受けてくれたのですから、感謝の気持ちを込めながら供養してもらうのがおすすめです。人形供養は、神社やお寺に依頼して供養したもらう、一般社団法人 日本人形協会に依頼する、自宅で行う、の3つの方法があります。
- 神社やお寺に供養してもらう
すべての神社やお寺で人形供養を行っているわけではないので、まずは人形供養を行っているところをホームページなどで確認しておきましょう。
人形は神社やお寺に自分で持っていくか、郵送で送るかで依頼することができます。費用は神社やお寺によって違いがありますが、3,000~10,000円くらいが相場だとされています。
- 一般社団法人 日本人形協会に依頼する
一般社団法人 日本人形協会は、日本人形などに関わる産業の発展や復興のために活動している団体で、五月人形の供養も行っています。
依頼方法は郵送で、5,000円ほどで供養してもらうことができます。五月人形を郵送し代金を振り込むと10月に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」で供養してもらえます。
- 自宅で行う
供養は自宅でもできます。人形に感謝の気持ちを伝えつつ、可燃ゴミもしくは粗大ゴミに出します。丁寧に供養したい場合は、白い紙に包んで清めの塩を振り、感謝の気持ちを込めて処分しましょう。また、自宅供養向けのキットを取り扱っている神社もあるので、購入する方法もあります。
可燃ゴミに出すか、粗大ゴミに出すかはお住まいの地域によって異なるので、自治体に問い合わせてください。
五月人形は、子どもの健やかな成長と災厄の身代わりになってくれることを願って飾ります。いつまで飾る、何歳まで飾るの決まりはありませんが、一般的には4~5月くらいに飾り、子どもが自立するか成人するなどの区切りの時期まで飾ります。
毎年気持ちよく飾れるように、カビやサビに注意し、押し入れ上段や天袋に収納しましょう。飾らなくなった人形は、子どもが結婚して男の子が生まれた時に再び使うこともできますし、供養をして処分することもできます。それぞれの家庭で、子どもの成長に合わせて判断することをおすすめします。