鯉のぼりはいつまで飾るのか？

鯉のぼりは何時から何時まで飾るのが望ましいか迷うこともあるのではないでしょうか？

鯉のぼりは、３月ごろから飾られ始め、５月の中頃までを目安に飾るのが一般的です。

鯉のぼりを飾る風習は、端午の節句である５月５日が一番適した時期になりますが、実は３月ごろに飾っても問題はなく、古来の風習によりいつ頃飾るかというのはあまり明確な決まりはないようです。

季節が移り変わり暖かくなってから、また季節がまたぐ間に飾ればよいされています。

そこから３月から５月までの間に飾ればそれでよし、とされていました。

鯉のぼりをいつまで飾るかといううえで少し気になることもあります。

鯉のぼりって実は長時間外に吹きざらしにして飾るのは、鯉のぼりが劣化する原因になります。

というのも、元々、鯉のぼりを飾る風習は、子供が無事に生まれて成長していく様子を鯉に例え、いずれ大きく成長することを祈り大小さまざまな鯉を掲げたのが始まりす。

初期の鯉のぼりは使い捨ての鯉のぼりで装飾はおろか、色も淡色の黒一色でした。

これについては鮮やかな鯉という物の登場がまだ鯉のぼりを上げていた時代には存在せず、鯉に色が付き始めたのは現在のように艶やかな鯉が登場してからになります。

初期の鯉は単色で、使い捨てだったのです。

鯉のぼりが使い捨ての理由は、戦国時代のような時代背景において、鯉のぼりを飾り、次の季節まで子供が無事に生きていけるか、ということもあり、使い捨てだった暗い歴史がありました。

そこから時代が進むと鯉自体も様々な色合いの鯉が登場し、現在で知られるような鯉のぼりに変化しました。

この変化の過程で鯉のぼりは使い捨てではなく、子供が成長し無事に大きくなるまでの間使い続けるものとなってきました。

いつまでも空に掲げるのではなく、風が強い時や雨が降っているときにはしまうという風習が別途生まれたのです。

この鯉のぼりをしまうという考えですが、現在の鯉の素材が熱に弱いナイロンだったり、色移りする素材だったりと様々ですぐに鯉自体が劣化する素材が使用されていることがあります。

また、鯉のぼりを掲げる際に使用している支柱に関しても近年の強風化の中では、鯉を繋げた状態であれば支柱が曲がり損壊する恐れもありますので、強風の中鯉を上げるのはしっかりと確認、注意が必要になってきます。

ちなみに鯉のぼりの鯉ばかりに目が行っていますが他にも気をつけなければならないのが矢車です。

あの矢車は大きな音が出るのはもちろんですが、強風化においては飾車部分が吹き飛び、第３者にけがをさせる要因にもなるため、必ず強風が吹く際には矢車も降ろしておくことが重要です。

子供のお祝い・お守りのような鯉のぼりですが、実は鯉のぼりは「屋外用」と「屋内用」のものが現在ではあります。

屋内用の鯉のぼりであれば、年中を通して子供の成長を祈ることができます。

「鯉のぼりを年がら年中飾るのはおかしいのでは？」と思われる方もいると思います。

実は、鯉のぼりは元々、子供が何とか無事に５歳程度まで無事に成長してほしい。

とした習慣から生れたもので、言ってしまえば、子供の成長をお祈りする「社」みたいなものなのです。

その為、室内に飾るという方法で、無事に成長することをお祈りした逸話もあるため、おかしな話ではなく、卓上鯉のぼりなる商品群も登場しています。

この卓上鯉のぼりは、鯉のぼりのミニチュア版であると考えていただくと分かりやすいかも知れません。安全に室内に飾ることができる鯉のぼりです。

この鯉のぼりの利点は、いつまでも飾ることができるという特徴を備えたうえで、騒音の発生がないことです。

最近は、外に繋がれている鯉のぼりを見ればその家庭に子供がいるかどうかが分かりますので、鯉のぼりを上げるのはあまり良い風習ではないという意見も現在では少し存在します。

そんな意見も受けて、現在では外に鯉のぼりを飾るのではなく、むしろ室内に鯉のぼりを飾り、来客者の目に留まればそれでよしという考えで子供の成長をお祈りする方も増えてきています。