古くから伝わる雛人形のガラスの劣化や破損の修復方法
親や、その上の祖母などから代々引き継いできた雛人形をお持ちの方は、ガラスのケースに入れられたタイプを所有している方も少なくはありません。古い時代にはガラスの製造工程が今とは異なり、高価な素材だったこともあり、雛人形のケースに使われているガラスも薄くて透明度が無くなっている可能性も否定はできません。
それでも代々伝わる貴重な存在となっていて、買い替えを検討せずにその後も子や孫へと引き継いでもらうことを検討した場合、ガラスの劣化を修復する方法はあります。
このタイプの場合は上の天板を外すことで四方のガラス板は上に持ち上げることで簡単に外すことができます。外した状態で何らかの平らなシートを床に広げ、ガラスをシートの上に置いた状態で、一般的に市販されているスプレー泡式のクリーナーを利用して柔らかいタオルなどで拭き上げる方法は最初の第一歩です。
これだけで汚れも落とすことができ、透明度を高くすることができれば問題はありませんが、結果的にあまり効果が無かったという場合は、ホームセンターやカー用品店で販売されているガラス用の汚れ落としのグッズで、液体状で専用のスポンジがセットになっている商品を購入すると綺麗な透明度にすることができる可能性は高まります。自動車用品は結構な汎用性があり、一般家庭用よりも強力な効果を発揮する商品が多いので、更に極細の液体状のコンパウンドを購入することで仕上げを行う方法も使えます。
磨いた後には割れてしまうことが無いように慎重に浴室に持ち込んで、シャワーで洗い流すことで効果を実感することができます。もしも、仕上がりに納得することが出来ずに、水を流した際にガラスの全ての面に付着する水玉が一定ではない部分があることを確認した場合は、同じように自動車用のウロコ取り用の商品を使う方法も効果的です。このウロコ取りはかなりの効果があり、ウロコだけではなくガラス素材に付着している全ての汚れや異物を除去する能力があるので、作業を行った後に再度コンパウンドを使う方法で通常は綺麗になります。気になる方はガラス系のコーティング剤も自動車用品で販売されているので、コーティングを掛ける作業を行えば表面に輝きが出来るので新品のような雛人形にすることも決して不可能ではありません。
ここまでの範囲では、雛人形の劣化したガラスの修復法になりますが、既に割れている部分やヒビが入っている部分があれば、作業工程は大きく変わります。近隣にガラス修理店があれば、厚みとサイズを正しく計測して枚数を指定するだけで簡単に工場で切断を行ってもらえますが、近隣に修理店が無いという環境の方は、新しくDIYで作り直す方法も使えます。
ガラスの代わりに透明のアクリル板を用いる方法があり、厚みと必要とする面積をメモしておけばアクリル板の売り場でスムーズに買い物を行えます。同時に購入する必要性のあるものがあり、アクリル板用のカッターが該当しています。普通のカッターの刃とは大きく異なり、先端部分がフックのように仕上がっている切断工具です。数百円で購入可能なのでお求めやすい工具として利用でき、1度の購入で長く使えることもメリットです。自宅に材料を持ち帰ってアクリル板をカットしますが、下敷きにするものを用意することは必須です。
ベニヤ板などがあれば相応しい下敷きになりますが、平らな面である程度の硬さがあるものであれば代用は可能です。ガラスサイズに合わせて定規を当てて専用のカッターで傷を付けていく方法になり、3回程度の反復作業でアクリル板が削られていることは確認できます。厚みによる違いがありますが、大体は5回から10回程度の反復作業にてアクリル板には十分な溝が彫られている状態にすることが出来るので、後はデスクの縁部分など直角な部分を利用して折り曲げてみると、力をあまり加えずに自然と割れるものなので、意外と簡単にカット作業は行えます。
電動工具をお持ちの方で丸鋸やグラインダーなどの工具の場合、熱が加わってしまいアクリル板の縁を溶かしてしまうので専用カッターの方が安全です。ホームセンターで販売されているアクリル板はサイズや厚み違いのものが多数販売されていますが、販売価格で調べてみると安い種類の商品を見つけることも良くあることです。
安いタイプの場合は、塩ビ板が該当していることが多いので、素材自体が全く異なります。塩ビ板は加工性に優れており、柔軟性もある素材ですが、表面に傷が付きやすい問題と、透明度がアクリル板よりも低いものなので、貴重な雛人形のガラスには向いていません。従って購入をする際には、明確にアクリル板と表記されているものを購入することは大切です。元々の雛人形のケースのガラスの厚みと適合するものが無かった場合、四隅の柱に付けられているはめ込みようの溝に対して加工を施して対応させる方法もあります。溝の方が太い場合は透明ビニールシートを用いて溝幅を狭くしておく方法や、薄い工作用の板を購入して狭くする方法などがあり、決して難しい作業ではありません。長く伝わる貴重な雛人形をリフレッシュさせるには最適な行動になるので、チャレンジする価値は十分にあるのではないでしょうか?
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