座敷幟用竿の塗り方の名称。 座敷幟用の竿に、あわび貝を細かくしたものをモザイク式に張り、その上から塗料を塗り、みがきだして青く光らせたもの。 新青貝、または人貝（じんがい）と称して、青貝塗のごとくみせたものもある。

祓（はらい）にい用いる人形の一種。 形代（かたしろ）から進歩したもので、十文字形に作った棒の上部に、きれでくるんだ顔をつけた原始的なもの。

着せつけをした人形の総称。裸人形、きめこみ人形、鎧着人形などに対し、衣裳を着せつけたものをいう。

御所人形の別名。京阪地方の名称。大阪の伊豆蔵屋という人形店が、一手（いって）に商っていたという説と、また一説には御用達人の泉倉某が扱ったのが語源という。

変り雛[通常の雛に対し、変った雛の総称。干支、勅題、時局にちなんだ男女一対の雛。菜の花雛や、糸巻雛などがある。

やまと人形の別名。江戸時代（1601～1867年）の役者、佐野川市松の似顔の人形が、大阪にて流行ったためにこの名称がおこった。

座敷幟の鯉または吹流しなどの名称。座敷幟の鯉幟、吹流し、千成瓢箪、軍扇馬印など、各々に一本で立て飾るものの総称。

芝居の[妹背山婦女庭訓]

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

三月節句に飾りそろえる人形の総称。十五人揃をきまり物と称するに対し、その他の節句人形の総称。能、狂言、演劇、舞踊から構図したもの。

故実、典例。朝廷や武家の儀式、法令、作法、風俗、服装などのしきたりにならって、物を作ったり、事を行ったりすること。有職（ゆうそく）ともいう。

別名随身（ずいじん）、矢大臣ともいう。２人一組のもの。十五人揃に属し、宮廷を警護する儀仗（ぎじよう）姿。向かって右に老人、左に若人を飾る。

矢を入れる道具の名称。武士が腰や背に負うて使用した。正月の破魔弓にも用いる。

馬に乗った武者の構図の総称。

歌舞伎十八番 市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

多色の美しい織物。内裏雛の御座（ぎょざ）の畳縁に用いる多色の美しい織物。

３人一組のもの。十五人揃に属し、白衣を着たもの。向かって右から立傘・沓台（くつだい）、台笠持ちの順に飾る。三人上戸（じようご）の別称もある。

羽子板の寸法の旧称（長さ）12号　約36㎝

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）約39㎝

鎧の形式の草摺（くさずり）が4枚になっているもの。具足との相違は草摺（腰にさがる部分）が大きく、4枚になっている。

 

昔の大名などが使用した乗物。

行灯（あんどん）のかたわらに立つ女性の構図。劇の「藤十郎の恋」からとった構図。

劇の「唐人お吉」からとった構図。

翁の面をつけ扇を持った構図。能楽の祝言舞曲「翁」から出たもの。翁の面をつけ、扇を持っている目出度い構図。

内裏雛の仕立て方の名称。女雛の裾の部分の仕立て方をいう。

お座り人形の別名。ゴム紐によって手足が自由に動かせるやまと人形。

羽子板などに使用する手工芸の名称。図案を厚紙にて切り抜き、羽二重その他のきれでくるみ、彩色をほどこした手芸品。主として羽子板に用いる。

櫓（やぐら）の上にのって片肌ぬぎになり、太鼓を叩かんとしている町娘の構図。芝居の「八百屋お七」。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

幼人形の別名。ゴム紐によって手足が自由に動かせるやまと人形。

 

振袖の上方（かみがた）町娘姿の構図。芝居の「お染久松」からとった艶麗な上方町娘の構図。

座り形色彩の対の犬。胡粉彩色や金銀箔押しをした美しいもの。いわば、お雛さまの守護神で、内裏雛の左右におくもの。犬張子ともいい、現在の犬張子のもと。香箱のようにふたがとれ、御守札などが入れ得るものもある。

平安時代（794～1192年）の小児の遊び物。首と胴は綿詰めの白絹、頭髪は黒糸。這う子にかたどってあるので、こう名付けられた。別名を這子・婢子（ほうこ）ともいう。

鎧、兜の紐の編み方。五月飾鎧の糸または紐での結びつけ[縅し]方をいう。おもに色彩は、緋縅し（ひおどし）のほかに紅白、裾濃（すそご）[下方に色濃く、上方へ薄い]、匂(にほい）[裾濃と逆になっている]、沢瀉（おもだか）[地色と別の色を組まし、杉形で沢瀉の葉に似ている」、逆沢瀉（ぎゃくおもだか）[沢瀉の逆のもの]などがある。

子供顔人形の別名。子供顔の意であるが、主として御所人形風の顔をさしていう。

白塗り丸顔の光沢のある童子人形。お土産人形、伊豆倉人形（いずくらにんぎょう）、白肉人形などと呼ばれたが、近年は御所人形の呼称に統一された。前髪に水引を描いたものを水引手と呼んだ。

糸巻を持った娘の舞姿の構図。芝居の「妹背山婦女庭訓（いもせやまおんなていくん）」の登場人物で、お三輪の件（くだり）の糸巻[苧環（おだまき）]を持った可憐で艶なる姿の構図。

鎧、兜の紐の編み方。五月飾鎧の糸または紐での結びつけ[縅し]方をいう。おもに色彩は、緋縅し（ひおどし）のほかに紅白、裾濃（すそご）[下方に色濃く、上方へ薄い]、匂(にほい）[裾濃と逆になっている]、沢瀉（おもだか）[地色と別の色を組まし、杉形で沢瀉の葉に似ている」、逆沢瀉（ぎゃくおもだか）[沢瀉の逆のもの]などがある。

女の人形の総称。小山（おやま）次郎三郎という人が、女の人形を巧みに操ったので生まれた名称。おもに髷（まげ）を結っている人形。関西方面では中娘（ちゅうこ）という。

角筒形の容器。貝合わせの貝の容器一対。貝合わせとは、蛤貝の中側に絵や歌が書いてあり、これを２つ合わせる遊戯。

戸外用鯉幟の竿の頂点につける球。鯉幟の竿の頭につける球形のもので、篭球（かごだま）を改良したもの。

白い毛をかぶった獅子の舞姿の構図。芝居、舞踊から出たもの、前シテは大奥女中が獅子頭をかざして踊る華麗な構図[弥生（やよい）]。後シテは白い毛をかぶった獅子の舞の構図。

灯火の一種。主として篭を３本の脚で支えたようなもの。陣中、夜の警護や照明の火を燃やす道具。五月節句に一対で用いる。

板にじかに絵を描いた羽子板。

やまと人形の男児の髪の技法。男児人形の頭に毛を用いないで、筆で毛を描いたもの。

雛の五人囃子に代えて用いる雅楽を奏する伶人。横笛、篳篥（ひちりき）、笙（しょう）、鞨鼓（かっこ）、琴、琵琶（びわ）、火焔太鼓等を奏す。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

お膳の高級品の型。普通型を蝶足形という。また、これに湯筒、飯櫃をつけた場合に両つぎ付という。

五月飾用の馬。奉書張（ほうしょばり）、縮緬張（ちりめんばり）、?糸葺（すがぶき）、塗上（ぬりあげ）などがある。

五月飾用の飾太刀。一本太刀は太刀掛（飾台）に立てたもの。二本太刀は大小を横掛けにしたもの。

人形の頭の部分の総称。

五月節句の供え物。柏の葉に包んだ菓子。古代、食物が柏の葉に盛られた遺風を示す。関東では１葉で包み、関西は２葉で包む。

梅の花をさして立つ勇将の構図。謡曲「箙（えびら）」からとり、一の谷合戦、生田の森で、矢筒[箙]に梅花をさしている勇将、梶原源太景季（かげすえ）をあらわす。一名、箙の梅ともいう。

内裏雛の女雛の肩よりたらす装飾房。

蒔絵模様の種類。花鳥山水の蒔絵。唐草蒔絵に対して呼ばれる。

鎧は甲冑の総称。五月飾は主として具足、大鎧である。

斑点のある染色模様。鹿（しか）の子の毛肌の斑点のような模様である。多く絞りに用いる。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

五月飾の中心として飾られる兜。

薄肉彫塗物の名称。模様を薄肉彫にして、塗料で塗り上げたもの。ケース、台などに使用している

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

通称、子ども鯉のぼりという。色彩は青、緑、オレンジなど。緋鯉の下につけて掲揚する。

蒔絵模様の種類。つる草をからませた模様を描いたもの。

通常の雛に対し、変った雛の総称。干支、勅題、時局にちなんだ男女一対の雛。菜の花雛や、土佐の糸巻雛などがある。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

別名を三人官女ともいう。３人一組のもの。十五人揃に属し、向かって右から長柄、三方、銚子持ちの順に飾る。白衣に緋（ひ）の長袴をつけたものと、打掛を着せたもの[掛付]とがある。

巻物を読みあげている弁慶の構図。能楽の「安宅」、芝居の「勧進帳」よりの構図。そのほか金剛杖を持ち六法（ろっぽう）を踏む構図のものもある。

人形に用いる眼球。

別名を桐塑（とそう）、またはぬきという。

布帛を用いた一種の衝立（ついたて）。装飾をかねて衝立や屏風の役目をなしたもの。表面は朽木（くち）形模様や花鳥の絵を描いてある。また、錦や綾織物を用いた美しいものを美麗几帳（びれいきちょう）という。

布張りの羽子板に絵を描いたもの。羽子板形の絹などの布地に絵を描いて張り付けた羽子板の総称。

絹地に金箔で箔押しした、高級品屏風。

絹糸を巻いて作った毬。遊戯に用いたもの。

屏風などに使用する布目（ぬのね）の紙。紙をプレスして絹目を出したもの。布目ともいう。三月及び五月に用いる金屏風などの紙。

衣裳を張りきめこんだ人形の総称。木彫、または生地に金襴（きんらん）、縮緬（ちりめん）などのきれをきめこみたる人形の名称。江戸時代中期（1703～1792年）、京都、上加茂神社（かみかもじんじゃ）の使人高橋某が柳の木を彫刻し、衣裳のあまりぎれなどできめこんだのが初めとされ、加茂人形（かもにんぎょう）の名称もある。

鎧、兜の紐の編み方。五月飾鎧の糸または紐での結びつけ[縅し]方をいう。おもに色彩は、緋縅し（ひおどし）のほかに紅白、裾濃（すそご）[下方に色濃く、上方へ薄い]、匂(にほい）[裾濃と逆になっている]、沢瀉（おもだか）[地色と別の色を組まし、杉形で沢瀉の葉に似ている」、逆沢瀉（ぎゃくおもだか）[沢瀉の逆のもの]などがある。

座敷幟で９本の幟などを立てたもの。

能楽の一部、または芝居の演目[外題（げだい）]をいう。能楽の合間に演ぜられる軽い劇の能狂言[「末広狩」「靱猿（うつぼ）」など]と、歌舞伎劇の脚本を総称する歌舞伎狂言[「勧進帳」「道成寺」など]との２種がある。人形は両者から題材をとっているが、羽子板の場合はほとんど後者のみ。

元禄傾城（けいせい）姿の美女の構図。芝居の「左小刀（ひだりこがたな）」。名工、左甚五郎が彫刻をした太夫に魂が入って踊っている場面。

鏡台と針箱一組の略称。

昔流行した面長の衣裳着雛。寛永雛から発達したとされるもので、面長な顔に切れ長な目で、静かな表情をしているのが特長。

加藤清正のさまざまの構図。

別名を金時ともいう。紅顔の童子の人形の総称。源頼光（らいこう）の四天王、坂田公時（きんとき）の少年時代をあらわしたもの。

平箔のかわりに縒（より）金糸で織った金襴。これにも二丁、三丁の織方がある。

人形の衣裳に使う代表的な布地。模様の一部分に金糸を織込んだ織物。

鎧の形式の名称。草摺（くさずり）が５枚以上になっているもの。五月飾鎧の大部分はこの形。人形業界の通称はすべて鎧と呼ぶ。大鎧との相違は草摺が５枚以上になっている。

瓶子（へいし）にそえる造花。三方にのせる瓶子の口にさし飾る。三月飾は桃の花、五月飾は菖蒲の花。

長幟の上部に使用する竹の筒。五月飾幟の上部にはめる縦の管と横の棒を一緒にした専門語。×

[三棚]３種の棚を組合せた調度。黒棚、書棚、厨子棚の３種一揃い。武家の調度として用いられたもの。

軍扇と采配（さいはい）との組合せ。多くは陣笠揃と一対にして用いられる。

通称、鯉のぼり竿、ポールという。大別すると竹竿、丸太竿、金属性ポールがある。

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）　約14㎝

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）　約１14㎝

昔の化粧道具の一揃い。化粧道具の品数により五、七、十三揃などがある。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言１８種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言１８種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

五月枠飾の立物。尖端に白い毛をつけたもの。白い毛をかぶせた槍をかたどったもので、大名行列の際、奴（やっこ）が振りながら歩いたもの。

羽子板の寸法の旧称（長さ）11号　約33㎝

鯉魚をかたどったもの。戸外用幟と座敷幟[室内用]とがある。布製、紙製及び化学製品のものがあり、各々、黒[真鯉]と赤[緋鯉]その他がある。鯉は滝を登って竜と化すの登竜門の故事によったという。座敷幟にも一本立として飾る。

両立てと同じ。

刀を鍛える二人立の構図。三条小鍛冶宗近（むねちか）が、伏見稲荷山の霊狐の神助で、名刀を鍛えあげたという能楽、あるいは舞踊の構図。

夫婦箪笥（めおとたんす）など５荷の一揃い。夫婦箪笥２荷長持ち２荷、挾箱（はさみばこ）１荷の５荷の一揃いを組合せたもの。

5月5日[端午（たんご）]の節句は菖蒲（しょうぶ）の節句ともいわれ、三月節句と同じように平安時代から祝われている。平安時代には薬玉や菖蒲を飾ったり、屋根に菖蒲をふいたり、粽（ちまき）を食べたりした。柏餅も作られた。

五月節句はしだいに男の子の節句のようになって、男の子は頭に鉢巻をし、それに菖蒲をさして木刀を持って遊んだりした。江戸時代の初めから家の前に柵を作ってそれに幟（のぼり）、吹流し、槍、兜、人形などを結びつけて節句を祝うようになった。江戸の中頃からは戸外に鯉幟を立てた。それとは別に幟や槍を小さく作って枠に立て、人形や兜もそれといっしょに座敷に飾った。 その後、いろいろな人形や鎧などを飾るようになった。

風よけ、または装飾のために室内に立てて用いる道具。ひな段では親王のうしろに飾り、種類には二曲、三曲、四曲、六曲、八曲などがある。また、加工法には、箔押し、絹地箔押し、絹目押し、梨子地などがある。

羽子板の寸法の旧称（長さ）13号　約39㎝

享保雛以後新しく工夫された町雛の総称。明治（1760年代）頃、江戸十軒店の原舟月が作りはじめて流行した。現在の雛人形に近いもの。

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）約12㎝

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）約16㎝

座敷の幟枠の腰の部分に彫刻のあるもの。座敷幟の枠の腰板に彫刻をほどこしたもの。平枠、屏風枠などがある。

昔の貴人が使用した乗物。牛をつけたものもある。

白塗り丸顔の光沢のある童子人形。お土産人形、伊豆倉人形（いずくらにんぎょう）、白肉人形などと呼ばれたが、近年は御所人形の呼称に統一された。前髪に水引を描いたものを水引手と呼んだ。

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）約30㎝

昔の1年のうちのおもな５つの節句。1月7日の人日（じんじつ）[七草節句、白馬の節会（あおうまのせちえ）、3月3日の上巳（じようみ）[桃の節句]、5月5日の端午（たんご）[菖蒲の節句]、7月7日の七夕[星祭]、9月9日の重陽（ちょうよう）[菊の節句]の5つの節句をいう。節句とは節日に供する食物の意。ゆえにもとは節供と書かれた。

御所人形風の頭。古代風頭、おぼこ頭とも呼ばれこの頭を用いた人形をも略称する。

七段飾とともに雛飾の形式。

天冠（てんがい）をつけ蝶の羽をつけた舞姿の構図。天冠に菜の花をはさみ、袍（ほう）の背に蝶の羽を負った童子が、羯鼓（かつこ）を打って舞う舞楽。

御殿造りをかたどった雛の屋形。黒、朱、梨子地塗りなどに蒔絵付のものと、白木造りとがある。また、屋根なし[源氏枠(げんじわく）]のもある。

内裏雛に用いる御殿風に作った台。名古屋、京都、大阪地区などで使われる。

人形の持ち物の総称。

[女雛]　天冠のつけ方は針金または元結を輪にして髪の内を下の方より上の適当な処に潜り出させ、それに冠紐を片方ずつ通して下に引き出し、位置を定めて顎にしっかり結ぶ。

→このとき天冠を顔面に倒さぬよう中印が必要である。

→檜扇は広げて手にもたせるが、手の出ていない場合は袖に挟む。

→すべらかしのように髪型には玉櫛のみを使用する。

→天冠のある場合は冠台にのせて脇に飾添る。

→[男雛]　冠のつけ方はまず冠を頭にのせて恰好のよい位置を定め、おさえながら顎に紐を結ぶ。

→纓（えい）の別になっているものは、冠の後方の穴に挿し込む。

→笏（しゃく）は右の握った手に持たせる。

→太刀は左腰につける。

→ふつう単に袖の下に挟むが、紐のついているものは腰に結ぶ。

[長柄銚子]　長柄銚子は左右の手にもたせるが、とかく不均衡になり指を損じやすいから注意が必要。

→[三方]　三方は両手を左右に軽く開いて挟むようにしてもたせる。

→穴のあいた方を前面に向け、三ヵ所に穴のあるのは前面と左右とする。

→[加えの銚子]　加えの銚子は、右手に持たせるが、口を外に向けるようにする。

[謡]　烏帽子は頭のよい位置にのせて押えながら、顎に紐を結ぶ（この烏帽子は略式でつけないこともある）。

→扇は右の握った方に持たせる。

→差鳥はふつう帯の間に差し込むが、略して袖の下に挾みおく方が安全である。（脇差は略式でつけないこともある）。

→[笛]　烏帽子は謡と同じ。

→笛は、口・手・手と三方の位置をよく確め左手を若干外に引く気持ちで持たせる。

→この場合、よく顔面を汚したり手指を損じるから注意が必要である。

→脇差は謡と同じ。

→[小鼓]　烏帽子は謡と同じ。

→小鼓は左握手で小鼓の胴を持たせ右肩に担がせる。

→脇差は謡と同じ。

→[大鼓]　烏帽子は謡と同じ。

→大皮は左握手で大鼓の胴を持たせ、左膝上に抑えさせるように持たせる。

→脇差しは謡と同じ。

→[太鼓]　烏帽子は謡と同じ。

→太鼓台を組み立てて太鼓をのせる。

→ただしこの場合は他の人形と異り、人形を幾分斜にする。

→脇差しは謡と同じ。

老人・若人とも共通。

→冠を頭にのせて恰好のよい位置を定め、抑えながら顎に紐を結ぶ。

→纓（えい）の別になっているものは、あとで冠の後方の穴へ差し込む。

→持矢は羽根を下に向け右握手に持たせる。

→弓は左手に反を上にして斜に小脇へかかえこむように持たせる。

→その時は腕を若干外引き、弓が楽に手を通るように持たせてから緩める。

→太刀は左腰にふつう袖の下に挾むが、紐のついているものは腰に結える。

→背負矢は紐を腰で結び、羽根が左肩に出るようにする。

→ふつうは略式で紐が無く、単に背の帯に挾み込む。

[台笠]　烏帽子の口元の前後を軽く指で圧しながら頭の丸さに合せるようにして冠せ、位置をよく定めて紐を締める。

→または略して背負わせることもある。

→台笠は手の握り穴にむりないように持たせる。

→[沓台]沓台は両手を軽く左右に開き挾みこませる。

→烏帽子は台笠と同じ。

→[立傘]台笠参照。

おぼこの別名。子供顔の意であるが、主として御所人形風の顔をさしていう。

童顔の頭。この頭を用いた人形をも略称する。

内裏雛と官女の一組。

五人一組のお囃子。十五人揃に属し、能楽の囃子方（はやしかた）をかたどったもので、普通、童顔を用いる。向かって右から謡（うたい）、笛、小鼓（こづつみ）、大鼓（おおかわ）、太鼓の順に飾る。

戸外幟や座敷幟の長幟の上部につける小さい旗。

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）約33㎝

双六盤（すごろくばん）、碁盤（ごばん）、将棋盤の三種を合せた雛道具。

座敷幟で5本の幟などを立てたもの。

座敷幟の五本柱屏風枠の略称。

内裏雛の女雛の髪につける櫛。玉櫛（たまぐし）ともいう。

木製、練製、土製などの彩色した雛。

別名を金時ともいう。紅顔の童子の人形の総称。源頼光（らいこう）の四天王、坂田公時（きんとき）の少年時代をあらわしたもの。

娘が白い着物をきて、傘をもって踊っている日本舞踊の構図。

柵の中に植えた桜と橘の造花。左近（さこん）の桜、右近（うこん）の橘をかたどったもの。向かって右に桜、左に橘を飾る。

布帛マスクの日本髪衣裳着の人形。わが国の演劇、風俗に題材をとり、フランス人形作製法にならって作られたものの総称。

戸外幟に対する称で、平枠、屏風枠、一本立などの総称。

基本五月飾りの左右に一対で飾る物。

別名随身（ずいじん）、矢大臣ともいう。2人一組のもの。十五人揃に属し、宮廷を警護する儀仗（ぎじよう）姿。向かって右に老人、左に若人を飾る。

屋形の下に提灯をさげたもの。五月節句に用いる照明具の一種。

3月3日[上巳（じょうみ）]の節句は桃の節句ともよばれ、平安時代から祝われている。端午（たんご）[5月5日]、七夕[7月7日]、重陽（ちようよう）[9月9日]、人日（じんじつ）[1月7日]を合せて五節句といい、身体を清め病気にかからないように祈りをする日だった。

平安時代には宮廷貴族が雛遊びをしていたが、江戸時代になると武家や町人の間でも雛人形を飾って雛祭りをするようになった。

江戸中期には女の子の誕生を祝って必ず初節句に雛を飾るようになり、それから毎年雛祭りをするようになった。はじめは紙の立雛を飾ったが、後に内裏雛になりいろいろな人形も飾るようになり、箪笥やお膳などの道具も供え雛祭りは大変賑やかになった。今日では内裏雛にそえて飾る人形や調度、供え物もきまり飾り方もほぼきまっている。

現在は最大7段までが主流で上段より親王雛を飾る。

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）約20㎝

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）約20㎝

3種の棚を組合せた調度。黒棚、書棚、厨子（ずし）棚の3種一揃い。武家の調度として用いられたもの。

別名を前飾。三方、または八足の三台を揃えたもの。菖蒲酒の瓶子と粽（ちまき）、柏餅を三台の三方にのせたもの、または、八足台（はっそくだい）を用いたもの。

縦糸に、横糸一丁、地緯糸（ぢぬいいと）一丁、平箔で織った金襴。

別名を官女ともいう。3人一組のもの。十五人揃に属し、向かって右から長柄、三方、銚子持ちの順に飾る。白衣に緋の長袴をつけたものと、打掛を着せたもの[掛付]とがある。

別名を仕丁ともいう。3人一組のもの。十五人揃に属し、白衣を着たもの。向って右から立傘・沓台（くつだい）、台笠持ちの順に飾る。 三人上戸（じようご）の別称もある。

烏帽子をかぶり扇と鈴を持って踊る構図。能楽の「翁」の場合に演ずる天下泰平、国土安穏（あんのん）、五穀豊饒（ごこくほうじょう）を寿（ことほ）ぐ目出度い舞。歌舞伎にも種々な三番叟の舞がある。

軍扇、陣笠揃、陣太鼓の一揃い。

瓶子に口花をさし三方にのせたもの。普通、内裏雛の男雛と女雛の間に飾る。

瓶子に菖蒲の花をさし粽と一緒に三方にのせたもの。別名を前飾、または一台飾ともいう。三台揃式に対し簡略なもの。

双六盤（すごろくばん）、碁盤、将棋盤の三種を合せた雛道具。

金烏帽子（きんえぼし）、狩衣姿（かりぎぬすがた）で水桶をになって舞う娘姿の構図。能楽「松風」より出た舞踊「汐汲」の構図。

紋目の高い無地の織物。人絹と正絹とがある。色は朱、赤、白の三種があり、姫や官女などの袴に使用する。

籐を巻いて仕上げた弓の呼称。

座敷幟の一本立に用いる四本柱の枠。

金烏帽子（きんえぼし）をつけた男舞の姿の構図。源義経の愛妓の白拍子。史実「鶴ヶ丘八幡宮に於ける法楽舞（ほうらくまい）」。そのほか「吉野山千本桜」の道行姿がある。

五段飾とともに雛飾の形式。

寿老人（じゅろうじん）、大黒天（だいこくてん）、福禄寿（ふくろくじゅ）、恵比寿（えびす）、弁財天（べんざいてん）、毘沙門天（びしゃもんてん）、布袋和尚（ほていおしょう）の7人をいう。

座敷幟で7本の幟などを立てたもの。

別名を衛士（えじ）ともいう。3人一組のもの。十五人揃に属し、白衣を着たもの。向って右から立傘・沓台（くつだい）、台笠持ちの順に飾る。三人上戸（じようご）の別称もある。

4角な袖の衣裳を着用し、中啓（ちゅうけい）[扇]を持って見得を切っている構図。兜を持ったものもある。歌舞伎十八番の中の「暫」の主役。芝居で、揚げ幕の内より「しばらく」と声をかけて登場するので、この名がある。

座敷幟の鍾馗旗（しょうきはた）、武者人形の背負っている旗。昔、戦場で武士が背につけた指物（さしもの）。長幟より幅広く丈が短い。多く鍾馗の絵を描いてあるので鍾馗幟ともいう。戸外幟にもある。

昔、文武官が束帯を着ている時、手に持ったもの。

親獅子[白]、子獅子[赤]の舞姿の構図。能楽「石橋」の獅子舞。寂照法師が中国の清涼山（せいりょうざん）の千仭（せんじん）の谷にかかる石橋のほとりで見たという獅子が、牡丹咲く中で、目出度く舞い納める構図。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

雛全部の一揃い。内裏雛[2人]、官女[3人]、五人囃子[5人]、随身[2人]、衛士[3人]の5種類、いわゆるきまり物十五人の揃い。

昔の化粧道具の一揃い。化粧道具の品数により五、七、十三揃などがある。

十五人揃のうち衛士を除いたもの。内裏雛、官女、五人囃子、随身の揃い。

内裏雛、官女、五人囃子の揃い。

食物を盛る箱形の容器。方形扁平の箱を二重、三重、五重に重ねたもの。角、角丸、どう張形がある。

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）約22㎝

押絵の髪の部分を繻子で作ったもの。

東京の雛市のあった所の地名。現在の東京日本橋室町にあった雛人形の市で有名な地方。市は江戸時代（1601～1867年）より昭和の初め頃までに行われた。

人物そのままの頭。子供頭などに対し区別をしていう。

顔を鬚で埋め、手に剣を持った構図。唐の玄宗皇帝が夢で悪鬼に悩まされている時、鍾馗が現われ、これを救った。後に皇帝が名画家、呉道子（ごどうし）に、夢に見た鍾馗を描かせたという伝説による。即ち悪鬼退散の意で、五月人形に用いられる。

座敷幟の四半旗（しはんばた）、武者人形の背負っている旗。昔、戦場で武士が背につけた指物。長幟より幅広く丈が短い。多く鍾馗の絵を書いてあるので鍾馗幟ともいう。戸外幟にもある。

双六盤（すごろくばん）、碁盤、将棋盤の三種を合せた雛道具。

赤毛、面をつけ、能衣裳を着用して舞う構図。能楽「猩々」の構図。昔、支那の孝子（こうし）、こうふうの物語で、猩々が現われて汲めども汲めども酒がつきずと目出度く乱舞する図。

衣冠、礼服などの服装。昔、高貴な人が用いた衣冠、束帯（そくたい）[正式の服装]、直衣（のおし）[通常服]、狩衣（かりぎぬ）[旅行・狩猟用服]などの総称。

玩具化した太刀。

三月節句の別名。三月節句はもと3月上（はじめ）の巳の日に行われたので、上巳の節句という。じょうし[上巳]ともいう。

3種の棚を組合せた調度。黒棚、書棚、厨子（ずし）棚の3種一揃い。武家の調度として用いられたもの。

平安時代（794～1192年）から鎌倉時代（1192～1334年）初期にかけての舞妓の呼称。また、その舞われる歌舞をもいう。舞妓は烏帽子、水干[狩衣]をつけ、太刀を佩（は）いて舞い、水干が多く白色のものより白拍子といわれた。別名、男舞ともいう。

昔流行した丸顔の衣裳着雛。江戸時代、寛文（1660年代）の頃、雛屋次郎左衛門が創作したという雛の総称。丸顔で細い眼、小さい唇と鼻などの特徴を持つ。座雛（すわりびな）と立雛（たちびな）とがある。

雛祭に供える白い酒。江戸時代（1601～1867年）から用いられ、白酒売りの風俗があった。

白塗り丸顔の光沢のある童子人形。お土産人形、伊豆倉人形（いずくらにんぎょう）、白肉人形などと呼ばれたが、近年は御所人形の呼称に統一された。前髪に水引を描いたものを水引手と呼んだ。

陣笠と鞭（むち）との組合せ。多くは軍扇揃一対にして用いられる。

武装の神功皇后と応神天皇を抱く武内宿禰の構図。神功皇后が武内宿禰を従えた凱旋の目出度い五月人形の構図。

昔の1年のうちのおもな5つの節句。1月7日の人日（じんじつ）[七草節句、白馬の節会（あおうまのせちえ）、3月3日の上巳（じようみ）[桃の節句]、5月5日の端午（たんご）[菖蒲の節句]、7月7日の七夕[星祭]、9月9日の重陽（ちょうよう）[菊の節句]の5つの節句をいう。節句とは節日に供する食物の意。ゆえにもとは節供と書かれた。

台にのせた太鼓。昔、戦陣で用いた太鼓をかたどったもの。

武装の神功皇后と応神天皇を抱く武内宿禰の構図。神功皇后が武内宿禰を従えた凱旋の目出度い五月人形の構図。

神武天皇のことをいう。

内裏雛の別名。雛祭の主体。人形業界語として、玉ともいう。

内裏雛の別名。雛祭の主体。人形業界語として、玉ともいう。

太い線と細い線[子持ち二引]を横に染めた幕。陣中に張る幕を模したもの。

飾台に丸形提灯を立てたもの。

別名随身（ずいじん）、矢大臣ともいう。2人一組のもの。十五人揃に属し、宮廷を警護する儀仗（ぎじよう）姿。向かって右に老人、左に若人を飾る。

能狂言「末広がり」の大名と太郎冠者の二人立の構図。

人形の頭髪に用いる生糸。

生糸[（すが）]を用いた頭髪。多くは人形や雛に使用するが、押絵羽子板の高級品の頭髪にも使用される

紫の鉢巻をし、紋付黒衣裳を着用した構図。歌舞伎十八番の一つ。侠客（きょうかく）、花川戸助六の構図。

双六盤（すごろくばん）、碁盤、将棋盤の三種を合せた雛道具。

3種の棚を組合せた調度。黒棚、書棚、厨子（ずし）棚の3種一揃い。武家の調度として用いられたもの。

鎧、兜の紐の編み方。五月飾鎧の糸または紐での結びつけ[縅し]方をいう。おもに色彩は、緋縅し（ひおどし）のほかに紅白、裾濃（すそご）[下方に色濃く、上方へ薄い]、匂(にほい）[裾濃と逆になっている]、沢瀉（おもだか）[地色と別の色を組まし、杉形で沢瀉の葉に似ている」、逆沢瀉（ぎゃくおもだか）[沢瀉の逆のもの]などがある。

荒い金、銀の粉をちらした蒔絵または紙の意匠。

女のおさげの髪型。全髪を頭頂にたばね結び、その先をたらした髪をいう。内裏雛の女雛及び官女などに用いる。

軍扇揃と陣笠揃一対の略称。

座敷幟用の竿、槍の段々巻をした塗りの仕上げ方。主として座敷幟の竿、槍の仕上げ方をいう。竿または槍の全体を糸で巻いた上から、塗料を塗って仕上げたもの。

千成瓢箪をつけた馬簾。座敷幟の一本立及び長枠の立物に用いられる。太閤秀吉の馬印。

雛道具の食器、御膳などを一揃いにしたもの。御膳、菱台（ひしだい）、高杯（たかつき）、三方の一揃いをいう。

右手に中啓（ちゅうけい）[扇]をもち、左手に草子をもって舞う能楽「草子洗小町」の構図。宮中の歌合せでの小野小町の姿。

座敷幟枠の一形式。柱に象の鼻を模した彫刻をつけたもの。柱に象の鼻に模した彫刻をはめこみ、それに幟、槍などの飾りものを立てるようにしたもの。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

座敷幟枠にたくさんの彫刻をほどこしたもの。座敷幟枠の柱及び腰板などのすべてに彫刻をほどこしたものをいう。柱の部分に獅子に牡丹、竜に雲など、腰板の部分には臥竜（がりゅう）、または波に千鳥などの模様を多く用いる。

戸外用五月幟の総称。鯉幟、吹流し、武者絵幟、鍾馗幟などをいう。

武家が用いた丸い笠を竿の先にのせたもの。雛人形の衛士の持っている笠。五月枠飾の立物にも用いる。昔、武家の用いた笠を羅紗（らしゃ）などの袋におさめ、竿の上にのせたもの。

羽子板の寸法の旧称（長さ）14号　約42㎝

豊臣秀吉の姿。

大将姿の武者人形を中心とした飾り方。

五月飾用の飾太刀。一本太刀は太刀掛（飾台）に立てたもの。二本太刀は大小を横掛けにしたもの。

茶の湯に用いる棚と茶道具の一揃い

別名を親王という。

尉と姥の一対。能楽「高砂」の構図。

高く脚をつけた丸い皿。お菓子を供える台で一対にて用いられる。

孟宗竹が使われる。孟宗竹の産地で広く使用され、関西以西、九州まで使用分布が広い。

立っている夫婦雛の総称。別名を紙雛ともいう。

昔、高貴な人にお供ががざした日傘。雛人形の衛士の持っている傘。五月枠飾の立物にも用いる。傘は羅紗などの袋にいれてある。長柄傘ともいう。

昔の1年のうちのおもな5つの節句。1月7日の人日（じんじつ）[七草節句、白馬の節会（あおうまのせちえ）、3月3日の上巳（じようみ）[桃の節句]、5月5日の端午（たんご）[菖蒲の節句]、7月7日の七夕[星祭]、9月9日の重陽（ちょうよう）[菊の節句]の5つの節句をいう。 節句とは節日に供する食物の意。 ゆえにもとは節供と書かれた。

親王即ち内裏雛の略称。

頭布（ずきん）をつけ首から箱をさげて踊っている構図。舞踊「玉屋」の構図。シャボン玉売りの姿。

毛氈（もうせん）ともいい、三月、五月の雛段にかけるきれ。

偏平丸形の昔の燭台。 三月節句の雪洞（ぼんぼり）、五月節句の提灯と同じ用途で、対にして用いる。

昔の1年のうちのおもな5つの節句。1月7日の人日（じんじつ）[七草節句、白馬の節会（あおうまのせちえ）、3月3日の上巳（じようみ）[桃の節句]、5月5日の端午（たんご）[菖蒲の節句]、7月7日の七夕[星祭]、9月9日の重陽（ちょうよう）[菊の節句]の5つの節句をいう。節句とは節日に供する食物の意。ゆえにもとは節供と書かれた。

幟や旗の縁へ輪にしてつけた布の名称。五月幟の旗や幟などの縁につけ、竿や紐などを通す小さな布の輪。

笹など巻いた餅。粽とは茅巻（ちまき）の意。糯米（もちごめ）または米粉にて作った餅を菰（まこも）、笹（ささ）、茅（かや）などで巻き包んだもの。

女の人形の総称。小山（おやま）次郎三郎という人が、女の人形を巧みに操ったので生まれた名称。おもに髷（まげ）を結っている人形。関西方面では中娘（ちゅうこ）という。

雛のお膳で一般に用いられる足形のお膳。

銚子、盃などの酒具一揃い。銚子、盃、御重を台盆にのせたもの。一名、杯盤ともいう。

昔の1年のうちのおもな5つの節句。1月7日の人日（じんじつ）[七草節句、白馬の節会（あおうまのせちえ）、3月3日の上巳（じようみ）[桃の節句]、5月5日の端午（たんご）[菖蒲の節句]、7月7日の七夕[星祭]、9月9日の重陽（ちょうよう）[菊の節句]の5つの節句をいう。節句とは節日に供する食物の意。ゆえにもとは節供と書かれた。

別名とんぼともいう。坊主頭に摘み髪のあるもの。子供人形に用いる。

布張りの五月節句用の飾馬。馬の生地に縮緬などのきれを張りつけ、肌としたもの。

両立（りょうだて）ともいい座敷幟の鯉と吹流しの一対。

靱（うつぼ）に弓矢を配したもの。正月及び五月節句に、男児の祝いに用いる。魔障を破り払う弓の意。弓矢を装飾的に飾ったもの。四っ矢、槌飾り、弓槌揃がある。

小切れを花のようにつまみ仕上げた造花の名称。絹などをつまんで作った細かい手芸。雛道具の薬玉（くすだま）や羽子板に加工する。

塗物の艶を消した塗り方。ことさらに光沢を消した塗物で、主として高級品に用いる。

鶴と亀の冠り物（かぶりもの）をつけた二人の舞姿の構図。能楽「鶴亀」の構図。長寿を寿ぐ（ことほぐ）舞。

男装をした芸妓の祭礼姿。江戸祭礼の一風俗。花笠をかぶり、金棒を引く芸妓の男姿。

金色の冠り物で周囲に装飾のかざっているもの。内裏雛の女雛などがつける冠の呼称。ようらくともいう。

菅原道真をかたどったもの。

金烏帽子（きんえぼし）をかぶり中啓[扇]を持って踊る娘姿の構図。能楽の「道成寺」または芝居の「娘道成寺」で、構図はこのほか多数ある。

劇の「唐人お吉」からとった構図。

別名を生地、またはぬき[人形などの元型]という。

籐を巻いた五月座敷幟用の竿。竿を塗料で塗り、その上から間隔をおいて籐などを段だらに巻いたもの。

奴提灯を持った奴の踊り姿の構図。舞踊の「供奴」の構図。

五月の飾太刀の柄に鳥頭をつけたもの。飾太刀の一種。太刀の柄頭を鳥の頸にかたどったもの平安時代（794～1192年）に用いた太刀。

奴髷（やつこまげ）の別称。?客町奴風の髪形。極めて後方に男髷（おとこまげ）をむすんだもの。

別名とんぼともいう。坊主頭に摘み髪のあるもの。子供人形に用いる。

紙または土焼製の雛人形。立雛形式で雛人形とともに川や海に流すもので、ひとがたを流す古い形式を伝えている。鳥取地方の流し雛が有名。

座敷幟の立物のうちの長い幟の名称。上部に二引、下部に波に千鳥や、神功皇后に武内宿?などを描いてある。二引の下には家紋をつけることもある。戸外用の武者絵幟も長幟である。

一本立枠、四神枠以外の枠の総称。座敷幟枠の平枠、屏風枠など数本の竿を立てる横に長い枠の総称。

やまと人形に笛を入れた高級品の総称。

細かい金、銀の粉を用いた蒔絵、塗り、または紙の種類。金粉、銀粉をまきちらし、梨の実の肌のように仕上げたもの。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

通常の雛に対し、変った雛の総称。干支、勅題、時局にちなんだ男女一対の雛。菜の花雛や、土佐の糸巻雛などがある。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

縦糸に、横糸一丁と平箔（ひらはく）で織った金襴。

別名を引両（ひきりょう）、子持ち筋ともいう。幟、幕などの染め方。長幟、陣幕などに用いられる太い線と細い線を横に染める染め方の名称。

鎧、兜の紐の編み方。五月飾鎧の糸または紐での結びつけ[縅し]方をいう。おもに色彩は、緋縅し（ひおどし）のほかに紅白、裾濃（すそご）[下方に色濃く、上方へ薄い]、匂(にほい）[裾濃と逆になっている]、沢瀉（おもだか）[地色と別の色を組まし、杉形で沢瀉の葉に似ている」、逆沢瀉（ぎゃくおもだか）[沢瀉の逆のもの]などがある。

別名を生地（きじ）という[製作上の専門語]。人形などの元型。原型から作った雌型に、桐の粉末を糊で練ったものを詰め込み、抜き取ったものをいう。人形の顔などは多くこれに胡粉を塗って作る。最近では、石膏、焼物、プラスチック等を用いることがある。

猫の足をかたどった菱台。菱台の高級型。

男児の晴れ着衣裳の模様。江戸時代（1601～1867年）に武士の礼服の模様であったが、今は七五三のお祝いなどに男児の晴れ着に用いる。無地紋付の袖及び腰のあたりだけ、華やかな模様を配したもの。

江戸時代（1601～1867年）に関西では9月9日の重陽の節句に、再び雛を飾る風習があった。3月3日の節句に飾る雛に対して、後の雛と呼ばれた。

御所車、御駕籠の一組。

這っている人形の名称。幼児の這い歩く姿をかたどった人形。

銚子、盃などの酒具一揃い。銚子、盃、御重を台盆にのせたもの。一名、銚子台ともいう。

金、銀箔を用いて加工したもの。

正月の羽根つき遊びは室町時代から行われた。単なる遊びではなく正月を祝う心もあったからだろう。当時、羽子板をコギイタともいい、羽根をコギノコともいった。昔の羽根も今日の羽根とだいたい変らない。羽子板には初めは絵具で左義長[正月が終って門松などを焼く行事]を描いた。江戸時代から歌舞伎の俳優を押絵で作って板にはったものが流行し、年の暮の羽子板市は大変な賑いだった。羽子板も、雛人形、五月人形なども節句の前に、市内のあちこちに立てられた市で売られていた。それが明治の終わりごろからデパートの内で市が立つことになった。大正の頃から、絹を張ってそれに絵を描く絹絵羽子板も生まれた。

正月の羽根つき遊びは室町時代から行われた。単なる遊びではなく正月を祝う心もあったからだろう。当時、羽子板をコギイタともいい、羽根をコギノコともいった。昔の羽根も今日の羽根とだいたい変らない。羽子板には初めは絵具で左義長[正月が終って門松などを焼く行事]を描いた。江戸時代から歌舞伎の俳優を押絵で作って板にはったものが流行し、年の暮の羽子板市は大変な賑いだった。羽子板も、雛人形、五月人形なども節句の前に、市内のあちこちに立てられた市で売られていた。それが明治の終わりごろからデパートの内で市が立つことになった。大正の頃から、絹を張ってそれに絵を描く絹絵羽子板も生まれた。

金襴で作られた紙入れの装身具。和服の女児が懐に半ば入れて持つ紙入れと装身具をかねたもの。多く金襴で作られ、銀の簪（かんざし）をそろえる。

天冠をつけ、中啓[扇]浮を持って舞う構図。謡曲、芝居「羽衣」の構図。三保の松原に天人の天降った伝説。このほかにも種々の構図がある。

[衣裳着]着せつけをした人形の総称。裸人形、きめこみ人形、鎧着人形などに対し、衣裳を着せつけたものをいう。

三方と同じ用途で、８本の脚をつけた台。

右手に中啓[扇]をもち、左手に花筐をもって舞う能楽「花筐」の構図。都に上った迹辺皇子[継体天皇]を慕ってう舞日照前の姿。

紫の鉢巻をし、紋付黒衣裳を着用した構図。歌舞伎十八番の一つ。侠客（きょうかく）、花川戸助六の構図。

花をのせた車。蒔絵の車に花を花瓶か籠にさしてのせたもの。牛をつけたものもある。

唐草蒔絵の花の部分を盛り上げた蒔絵。

椋（むく）の実に鳥の羽をつけたもの。正月の羽子板遊びに用いる。つくばねともいう。普通、羽根は5枚だが、3枚、または7枚のもある。

靱（うつぼ）に弓矢を配したもの。正月及び五月節句に、男児の祝いに用いる。魔障を破り払う弓の意。弓矢を装飾的に飾ったもの。四っ矢、槌飾り、弓槌揃がある。

破魔弓飾りについた矢。

張子で虎の形をした玩具。首を糸でつり、振り動くようにしたものもある。五月節句にも飾られる。

春駒を手にした美人の舞姿の構図。舞踊人形及び羽子板に多くこの構図がある。江戸時代（1601～1867年）、正月に馬の玩具を持った婦人が町を舞い歩いた姿。舞踊にもとりいれられている。

鳥の雛のごとく小さい人形の意。古くはひひな、あるいはひいなといった。生まれたばかりの鳥の子がヒヒと鳴く、即ちヒヒナクのつまったのが語源という。昔、小さい物を鳥の子の雛にたとえた。

檜の薄板で作った扇。内裏雛の女雛などに用いる。

内裏雛の女雛の袖の装飾房。

通称、母鯉、お母さん鯉という。色彩は赤。

菱餅を供える菱形をした台。箱形と猫足形とがある。一対にして用いられる。

雛祭に供える菱形の餅。大抵は紅、白、緑の3色に作る。普通、上を桃色、中を白、下を緑色に積み重ねる。

五月飾鎧、または兜の容器。普通は6本脚の唐櫃形（からびつけい）である。

鳥の雛のごとく小さい人形の意。古くはひひな、あるいはひいなといった。生まれたばかりの鳥の子がヒヒと鳴く、即ちヒヒナクのつまったのが語源という。昔、小さい物を鳥の子の雛にたとえた。

3月3日[上巳（じょうみ）]の節句は桃の節句ともよばれ、平安時代から祝われている。端午（たんご）[5月5日]、七夕[7月7日]、重陽（ちようよう）[9月9日]、人日（じんじつ）[1月7日]を合せて五節句といい、身体を清め病気にかからないように祈りをする日だった。平安時代には宮廷貴族が雛遊びをしていたが、江戸時代になると武家や町人の間でも雛人形を飾って雛祭りをするようになった。江戸中期には女の子の誕生を祝って必ず初節句に雛を飾るようになり、それから毎年雛祭りをするようになった。はじめは紙の立雛を飾ったが、後に内裏雛になりいろいろな人形も飾るようになり、箪笥やお膳などの道具も供え雛祭りは大変賑やかになった。今日では内裏雛にそえて飾る人形や調度、供え物もきまり飾り方もほぼきまっている。

東京の雛市のあった所の地名。現在の東京日本橋室町にあった雛人形の市で有名な地方。市は江戸時代（1601～1867年）より昭和の初め頃までに行われた。

雛祭に飾る人形の総称。

3月3日[上巳（じょうみ）]の節句は桃の節句ともよばれ、平安時代から祝われている。端午（たんご）[5月5日]、七夕[7月7日]、重陽（ちようよう）[9月9日]、人日（じんじつ）[1月7日]を合せて五節句といい、身体を清め病気にかからないように祈りをする日だった。平安時代には宮廷貴族が雛遊びをしていたが、江戸時代になると武家や町人の間でも雛人形を飾って雛祭りをするようになった。江戸中期には女の子の誕生を祝って必ず初節句に雛を飾るようになり、それから毎年雛祭りをするようになった。はじめは紙の立雛を飾ったが、後に内裏雛になりいろいろな人形も飾るようになり、箪笥やお膳などの道具も供え雛祭りは大変賑やかになった。今日では内裏雛にそえて飾る人形や調度、供え物もきまり飾り方もほぼきまっている。

手を暖め、湯茶などをわかすのに用いる道具。丸、角、胴張り、御殿形がある。

鳥の雛のごとく小さい人形の意。古くはひひな、あるいはひいなといった。生まれたばかりの鳥の子がヒヒと鳴く、即ちヒヒナクのつまったのが語源という。昔、小さい物を鳥の子の雛にたとえた。

風よけ、または装飾のために室内に立てて用いる道具。ひな段では親王のうしろに飾り、種類には二曲、三曲、四曲、六曲、八曲などがある。また、加工法には、箔押し、絹地箔押し、絹目押し、梨子地などがある。

屏風形の座敷幟枠。平屏風枠、五本柱屏風枠、総彫屏風枠などがある。これらに対して、簡易な製品に平枠がある。

普通の屏風形の座敷幟枠。枠の左右を屏風形に前方へ曲げたもの。

平らな形の座敷幟枠。左右2本の柱に脚をつけ、横木[貫（ぬき）１本と上下の框（かまち）2本]を渡し、腰板をはめこんだもの。

錦や綾織物を用いた一種の衝立（ついたて）で美しいものを美麗几帳という。装飾をかねて衝立や屏風の役目をなしたもの。表面は朽木形模様や花鳥の絵をかいてある。

5枚の布地の一端を縫い合わせ、円く、または孤形にしたもの。室内用と戸外用とがある。多くは5色の裂地を材料とし、吹貫き（ふきぬき）[一端を輪に縫ったもの]、または孤形に張った吹流しもある。

兜を飾る芯木（しんぎ）にかけて用いるきれ。

笠をつけ、藤の花を持った娘の舞姿の構図。日本舞踊、大津絵のうちの藤娘の舞姿。これを飾ると良縁を得られるという伝説がある。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

舞踊から取材した人形の総称。汐汲、藤娘、道成寺などである。

子供人形の一種。やまと人形の最も簡単な製品。5㎝から1ｍ位までのものがある。

歌舞伎十八番。市川家の当り狂言18種の総称。江戸時代（1601～1867年）、市川家の当り狂言18種。不破（ふわ）、鳴神（なるかみ）、暫（しばらく）、不動（ふどう）、嬲（うわなり）、象引（ぞうひき）、勧進帳（かんじんちょう）、助六（すけろく）、押戻（おしもどし）、外郎売（ういろううり）、矢の根（やのね）、関羽（かんう）、景清（かげきよ）、七ッ面（ななっめん）、毛抜（けぬき）、解脱（げだつ）、蛇柳（じややなぎ）、鎌髭（かまひげ）などである。

古代の徳利。

やまと人形の髪の毛を称する専門語。毛髪を化学的に精製したもので、大型の人形に用いる。

武蔵坊弁慶。能の「橋弁慶」、芝居の「橋弁慶」、勧進帳からとった構図などがある。

鯉幟など戸外へ立てる金属性の竿の呼び方。英語。材質はアルミ合金で、伸縮自在のものと組立式のものがある。

平安時代（794～1192年）の小児の遊び物。首と胴は綿詰めの白絹、頭髪は黒糸。這う子にかたどってあるので、こう名付けられた。別名をお伽婢子（おとぎぼうこ）ともいう。

紙張りの五月節句用飾馬。奉書紙を材料として、馬の毛肌のように作ったものである。

紙張りの虎。

丸い筒形で、外ぞりの脚がついた容器。平安時代の食物の容器。

6角、丸形、棗形などの雛祭の燈火台。足は、一本足、二本足、三本足のものがあり、台は、丸形、六角形、菊形のものがある。

瓶子に菖蒲の花をさし粽と一緒に三方にのせたもの。別名を前飾、または一台飾ともいう。三台揃式に対し簡略なもの。

羽子板の寸法の旧称（長さ）

15号　約45㎝

16号　約48㎝

17号　約51㎝

18号　約54㎝

20号　約60㎝

23号　約69㎝

25号　約75㎝

30号　約90㎝

通称、親鯉、お父さん鯉という。色彩は黒。鯉のぼりの中心的存在で、セットの組合せは真鯉の大きさを基準にしている。

烏帽子（えぼし）をつけ、狩衣（かりぎぬ）を着けた能楽の代表的な名作「松風」の構図。行平を慕って舞う海女、松風の姿。

桧の竿が鯉のぼりのもつ風情との馴染がよく理想的。杉丸太、蝦夷松など針葉樹系も桧に準ずる適材。

押絵で人物の全身をあらわした構図のものの専門語。

白塗り丸顔の光沢のある童子人形。お土産人形、伊豆倉人形（いずくらにんぎょう）、白肉人形などと呼ばれたが、近年は御所人形の呼称に統一された。前髪に水引を描いたものを水引手と呼んだ。

押絵羽子板の専門語。俳優などの似顔以外のものの男女人物の総称。

箪笥、長持、挾箱（はさみばこ）の3種一組。

三つの葉からなる唐草模様。

三つ葉唐草模様を盛り上げて描いた蒔絵の技法。

五月節句に飾る人形の総称。

[立雛]立っている夫婦雛の総称。別名を紙雛ともいう。

火消し姿の構図。芝居の「め組の喧嘩」から取材した鳶頭（とびがしら）、芝神明の“め組”の辰五郎の舞台姿。

弓の弦（つる）を引き鳴らしている構図。昔、弓の弦を強く引き鳴らして魔を払ったという故事があり、今日も宮中で行われている。それより取材した構図。

三月、五月の雛段にかけるたり、飾台の下に引くきれ。

日本五大昔噺（ばなし）の一つ「桃太郎」からとった構図。

雛祭の別称。3月3日[上巳（じょうみ）]の節句は桃の節句ともよばれ、平安時代から祝われている。端午（たんご）[5月5日]、七夕[7月7日]、重陽（ちようよう）[9月9日]、人日（じんじつ）[1月7日]を合せて五節句といい、身体を清め病気にかからないように祈りをする日だった。平安時代には宮廷貴族が雛遊びをしていたが、江戸時代になると武家や町人の間でも雛人形を飾って雛祭りをするようになった。江戸中期には女の子の誕生を祝って必ず初節句に雛を飾るようになり、それから毎年雛祭りをするようになった。はじめは紙の立雛を飾ったが、後に内裏雛になりいろいろな人形も飾るようになり、箪笥やお膳などの道具も供え雛祭りは大変賑やかになった。今日では内裏雛にそえて飾る人形や調度、供え物もきまり飾り方もほぼきまっている。

模様を盛り上げて描いた模様。唐草、花鳥などの図案を、浮き立たせるように高く盛り上げて描いた蒔絵の技法。

兜を捧げる姫姿の構図。芝居の「本朝二十四考」の八重垣姫の図。おもに諏訪法性（すわほつしょう）の兜を捧げる姫の姿が用いられる。

櫓（やぐら）の上にのって片肌ねぎになり、太鼓を叩かんとしている町娘の構図。芝居の「八百屋お七」。

焼き鏝（ごて）で絵を描き彩色したもの。

矢羽根を放射状に組合せ車のようにした幟用の風車。五月の鯉幟、吹流しの上部に飾りつけるもの。戸外用、座敷幟用とがある。

紫の鉢巻をし、長袴（ながばかま）の舞姿の構図。舞踊の「保名」の構図。安部保名が菜の花の爛漫（らんまん）たる春野にて蝶を追う図。

随身の俗称。2人一組のもの。十五人揃に属し、宮廷を警護する儀仗姿（ぎじょうすがた）。またの名を左大臣・右大臣ともいう。向かって右に老人、左に若人を飾る。

どんずりの別称。?客町奴風の髪形。極めて後方に男髷（おとこまげ）を結んだもの。

雛人形の寸法の旧称（立ち姿）

約9㎝ 約11㎝

鏑矢（かぶらや）を持って見得（みえ）を切っている構図。歌舞伎十八番の一つ。芝居、曽我五郎の構図。

屏風形の木枠に矢を立てたもの。

矢屏風に台をつけたもの。

従前、各地方別に東人形（あずまにんぎょう）、市松人形（いちまにんぎょう）、京人形などと異なって呼ばれていた日本人形を、全般的名称として名付けたもの。主として女児はかむろ、男児は書毛（かきげ）の髪形の髪形となっている。

故実、典例。朝廷や武家の儀式、法令、作法、風俗、服装などのしきたりにならって、物を作ったり、事を行ったりすること。うそく[有職]ともいう。

縦糸、横糸ともに絹糸を使い、平箔、金糸などを使わないで織った金襴。

五月飾り用太刀と弓を揃えたもの。

靱（うつぼ）に弓矢を配したもの。正月及び五月節句に、男児の祝いに用いる。魔障を破り払う弓の意。弓矢を装飾的に飾ったもの。四っ矢、槌飾り、弓槌揃がある。

靱（うつぼ）に弓矢を配したもの。正月及び五月節句に、男児の祝いに用いる。魔障を破り払う弓の意。弓矢を装飾的に飾ったもの。四っ矢、槌飾り、弓槌揃がある。

能楽「熊野」の構図。母を懐いながら花見の宴で舞う姿。

金色の冠り物（かぶりもの）で周囲に装飾のかざっているもの。内裏雛の女雛などがつける冠の呼称。天冠（てんがん）ともいう。

靱（うつぼ）に弓矢を配したもの。正月及び五月節句に、男児の祝いに用いる。魔障を破り払う弓の意。弓矢を装飾的に飾ったもの。四つ矢、槌飾り、弓槌揃がある。

雛道具の箪笥、長持ち、鏡台、針箱などの嫁入道具を組合せたものの名称。

甲冑（かっちゅう）の総称。五月飾は主として具足、大鎧でである。

鎧を着た人形。

五月人形の寸法の旧称（立ち姿）

約27ｃｍ

対入枠（ついいれわく）ともいい座敷幟の鯉と吹流しの一対。

お膳の高級品の型。普通型を蝶足形という。また、これに湯筒、飯櫃をつけた場合に両つぎ付という。

白い毛をかぶった親獅子と赤い毛をかぶった子獅子の舞姿で、能楽「石橋」や歌舞伎の「連獅子」からとった構図。子を谷にけ落して励ます姿を表わしている。