羽子板も最近のものは種類豊富
羽子板そのものは昔から存在していたものではありますが、昔は今ほど種類がありませんでした。時代によって飾りや描かれるイラスト、素材も変化してきていますが、伝統的なもの、モダンなもの、また自由な発想なものなど今ほど選べるほど種類はありませんでした。ですから今は選り好みなので、羽子板を選ぶのにも楽しさを感じることができるでしょう。
また最近の羽子板は大抵の場合、ケースに収納されていますが、ケースに以外にもスタンドが用意されていたりするので飾るのに困ることが少ないです。形からしてなかなか安定させて飾るのが難しそうですが、ケースやスタンドがあればそうした安定感で悩む事は少なくなるでしょう。
羽子板によっては裏面にも絵が描かれているので、ケースから完全に取り外して裏面も見えるように工夫されているものもあります。また、ケースの背面が鏡になっているものを選べば、ケースから出さなくても両面見ることができるのでおすすめです。昔のように設置場所などに決まりもないので、自分のセンスを生かして飾るようにすると良いです。
小正月過ぎにしまうのが一般的ですが、縁起物なので季節を問わないものであれば一年中飾っていても問題はありません。部屋の模様替えやインテリアを変える関係で収納する場合は、湿気がこもらないように晴れた日を選びましょう。お人形などと同じように保管には気をつかうものですが、しまう時は防虫剤は少なめにして乾燥した場所を選ぶのがおすすめです。もともと羽根つき遊びの道具として使われてきた羽子板は、お正月の遊びの道具として日本では昔から親しまれてきました。
あでやかな振袖を着た女の子たちが羽子板で羽根を突き合う姿は遠めでもお正月気分を実感させてくれる微笑ましいものです。ですが最近では羽子板が外で飾られたり使われたりすることもないので、どこで手に入れれば良いのかで迷ってしまうということもあるでしょう。羽子板も今では限られた場所でしか作られていないものですが、ちゃんと伝統を受け継いでつくられているところがあります。
押絵羽子板の産地としては、埼玉県の春日部市、埼玉市岩槻区が挙げられますし、特に春日部市は押絵羽子板を特産としています。それは昔からこの地が質の良い桐の産地であることに由来しています。羽子板の素材となる桐を求めて押絵師たちが多く春日部に移り住んだのが始まりだと言われているので、質からこだわりたい人はこの産地に注目してみても良いでしょう。
そして羽子板の種類は、押絵羽子板のほかには木目込羽子板やプレス羽子板があります。美しく飾られている表面からはどういった違いがあるのかもわからずどれも同じに見えてしまうものですが、押絵羽子板は他の2つとは比較にならないほどの手間がかかっており、その出来栄えから見ても豪華で艶やかです。誇れる品になりますから、贈り物に選ぶ羽子板としても最適です。
羽子板の老舗といえば創業1711年の江戸最古の人形店として知られる吉徳大光が有名です。その表情からもわかるように、柔らかく愛らしい印象をもたらす羽子板であるのが特徴です。春の喜びを表現した上品で可愛らしい羽子板や、新春の喜びを表現したもの、美しく華やかな羽子板もあります。黒塗りのケース飾りの者を選べばより一層上品でエレガントさを演出してくれます。
こうした柔らかでかわいらしいイメージの羽子板を求めるなら、華やかなピンクの着物に可愛らしい刺繍が施されている羽子板もおすすめです。桜の模様が入っているものであれば春を感じさせます。そして伝統を重視したいのであれば、鹿の子絞りの羽子板というのもあります。一際目を引く赤塗のケースが魅力の久月の羽子板飾りはその代表でしょう。古くから伝わる絞り染めの技法でもある鹿の子絞りで仕立てられた衣装が際立ちます。
ちなみに、こうした伝統を意識せず最近の流行りのモダンさを取り入れるなら、衣裳とケースの色が選べ、さらにオルゴール付きにもなっている羽子板もあります。衣裳とケースの色をいくつかの中から選ぶことができる羽子板であれば部屋の雰囲気に合わせることもできます。髪飾りとしても使える、つまみ細工の羽子板は、つまみ細工の部分はとりはずして髪飾りとしても使えるため便利です。特に七五三などの節句でも使ったものをそのまま羽子板として飾って置けるので記念写真と一緒に飾って置くにも適しているでしょう。そして小さめの羽子板を選べばシンプルで華やかです。小さな羽子板はちょっとしたスペースにも飾りやすいですし、子供部屋にも飾りやすいものです。そしてちょっと変わり種として純白の髪飾り羽子板というのもあります。ホワイトカラーの可愛らしい羽子板はお姫様気分も味わえます。大きいリボンの部分を取り外して髪飾りとして使えるものもあります。子供が気に入りそうな例としては、縁起の良いうさぎの羽子板もあります。鮮やかな朱色をベースに、明るい未来への跳躍を願う縁起の良いうさぎと花々が描かれているので絵本を眺めるような気持で見られます。そのほか、無病息災を願う花のくすだまが描かれたもの、桜や紅葉、桔梗など、日本の四季を彩る草花が描かれているものもあります。最近は選べる種類も多く良いでしょう。