破魔弓は何歳まで飾るもの？

男の子の節句の時に飾るものといえば鯉のぼりや五月人形が頭に浮かびますが、その他に破魔矢もあります。

ですが破魔矢というと、お正月飾りで飾ってあるものを頭に浮かべるということもあります。

子どもの初正月に飾るものの一つに、破魔矢があり、 読み方は「はまや」と読みます。その文字通り矢の形をした飾り物で、 弓の形をした破魔弓という飾り物とセットにされることが多い飾り物です。

 

形としては弓道の弓矢を連想される人もいるでしょう。こうした破魔矢は縁起物としてお正月飾りに飾られるほか、魔よけとして子どもの節句にも飾られることが多いです。

ですが子どもの節句で飾る場合、いつまで飾るのかで悩んでしまう人もいるでしょう。

購入した時の取扱説明書などにも、いつからいつまで飾るといった明確な記載はないので、困ってしまう人もいるでしょう。

 

通常、破魔弓は１５歳まで飾ると言われています。これは昔の元服に由来していますが、元服とは昔の儀式のひとつで１５歳で成人になるという儀式です。

ですがこれは昔の決め事なので、今の時代に必ずしもこの儀式を守らなければならないということはありませんので、それぞれの家庭に合わせて飾る、飾らないを決めても良いでしょう。

 

家庭によっては７歳までしか飾らないという家もありますし、現在の成人である２０歳まで飾るという家庭があってもおかしくありません。また同じ家に住んでいる間飾る、結婚するまで飾る、 などそれぞれです。

なので、一概に何歳まで飾らないといけない。という決まりはないという解釈になります。 何月何日に処分しなければならないという決まりもないので、処分したいと思う時期がきたらその時に処分すると良いでしょう。

明治時代の始めくらいまでは、１５歳前後を成人とみなす元服の儀まで飾られていたようですが、現代では年齢的な決まりはないようです。

 

昔の風習が残っているような地域では「立志式」という１５歳を迎えたお祝いの儀式まで飾るという地域もありますし、成人するまでということで、成人式まで飾る地域もあります。

その土地に合わせるというのも良いです。特にこうした感覚は祖父母の代と自分たちの代とで考え方に差が出てしまうことも多いので、迷う時は聞いてみるのが良いです。みんなが納得できる時期に供養しても良いでしょう。多くの人はあまり由来などは考えず、みんながやっているからうちの子にもという感覚で購入したり、縁起物だからという理由で購入するものですが、値段にも差があるものですし、ずっと飾っていきたいのであれば由来にも注目してみましょう。

 

また、男の子には跡取りという考え方から父方の実家から破魔矢を購入するということが多いようですが、これも昔の考えや風習からきているものなので、あまりとらわれずに誰が購入するかはその時の状況で決めてみると良いでしょう。

特に男の子ばかり生まれた、女の子ばかり生まれたなどとなると、どちらか片方の家ばかりが費用を出すことにもなり、片方に負担がかかってしまうというデメリットも出てきます。

臨機応変に両家で費用を折半したり、自分たちで用意するケースも好ましいでしょう。

ちなみに地域によっては破魔弓・破魔矢などを準備する風習がないところもありますから、いくら破魔弓・破魔矢には厄災をはらう、子どもが元気にたくましく育ちますように、という子どもの成長と幸せを祈る意味があったとしても、こだわりすぎないようにもしましょう。

 

特に今は部屋が狭くて飾るスペースがない、金銭的に購入するのは厳しいなど、無理をしてまで買う必要はないと思われる例もあります。ですが飾ってあげたいという気持ちがあるのであれば、健やかな成長を祈ってお祝いしてあげると良いです。

生命力の弱い赤ちゃんが無事に過ごし、乗り越えられますようにいう願いがこめられているものでもあるからです。また破魔矢が現在の形になったのは鎌倉以降だそうで、各地の城下町を中心に武家や豪商の間で破魔弓・破魔矢を飾って魔をはらい、家内安全を祈るようになったのが始まりのようです。

 

初正月に男の子をお祝いする風習は各地にもともとあったようですから、男の子に装飾した弓・矢が結びついて、子どもの成長を祈り、破魔弓・破魔矢を贈る風習となって広まっていったと思われます。

破魔弓・破魔矢は男の子の初正月の縁起物として贈られ、飾られるようになったのにも歴史がありますから、伝統や歴史は出来るだけ残していきたい、と感じる機会があれば子供たちに破魔弓・破魔矢も購入して飾ってあげると良いでしょう。子供が大きくなってくるとそれ程節句に関心を持たなくなってくるものですから、珍しいものに素直に感動したり、喜ぶことが多い幼い時期にこそ触れさせてあげたほうが感動も強くなり良いのではないかと思われます。

 

 

 

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